2018年03月12日

家主不在型民泊等の危険性

従来宿泊施設は旅館業法に基づく営業であり、施設の出入口には帳場(フロント)を設けてお客さんの出入りは従業員が見える様にされていました。しかし民泊増加による規制緩和で条件によっては旅館業許可の施設でも帳場が不用とされるケースが出てきました。
平成30年6月からスタートする住宅宿泊事業法では家主不在型の民泊が定義される事になりました。
宿泊施設における帳場は大変重要な物であり、ラブホテル等がフロントに目隠しをして営業するケースでは過去に多くの犯罪を招きました。その犯罪は売春等の風紀事案に限らず薬物、監禁、殺人や傷害等と様々です。平成23年には児童売春問題により風営法施行規則を改正して入室時又は退出時に自動チェックインや自動精算機で従業員と帳場で対面しない形態の宿泊施設は風営法のラブホテルとして定義される事になりました。ラブホテルでは帳場にて対面しないものの施設内の事務所等に従業員がいるケースが殆どですが、見えないだけで犯罪に繋がっています。これが家主不在型民泊とれば見えないどころか施設内に人がいないという危険な状況が生まれます。昭和60年以降、風営法や地域のラブホテル規制条例等により風紀面やその他犯罪を抑止する為に様々な規制が行われてきましたが、この約2年の民泊規制緩和でその殆どを失う事になります。特に風紀面規制よりも犯罪抑止面の規制がその影響を受けると考えられます。
規制緩和を目前に控え、各地で犯罪やトラブルが目立ち始めています。今まで日本には管理者が長時間不在の一時利用施設はさほど多くありませんでした。また宿泊施設等はあまり狭い路地に面した場所には建築されませんでした。今後、家主不在型の民泊が各地に増える事により、今まで日本で起きなかった犯罪が次々と発生する可能性があります。
経済の発展には多少のリスクを背負っても規制緩和や改革が必要ではありますが、今回の民泊規制緩和は起こり得るリスク予測が不十分であり、更に宿泊施設不足の原因となっている観光客の増加要因である安心安全な国を失う事にも繋がりかねません。これを失うと今まで日本が作り上げてきた信頼も失います。
大阪市も住宅宿泊事業法に関する条例では地域や期間に上乗せ規制を行わず、ヤミ民泊を減らす事を優先するスタンスでしたが、ここへきて大幅な規制を行う事で議論されています。民泊施設が許可無許可という問題以前に、誰も見ていない空間を他人に貸出すという危険な状態に関しての対策を焦らずじっくり行う必要があると思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 00:07| Comment(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

特定遊興無許可 法改正後初の摘発

平成28年6月23日の風営法改正により
深夜客に酒類を提供しながら遊興をさせる営業に関し
【特定遊興飲食店営業】
として従前は禁止されいた飲食店における深夜遊興が一部許可制で解禁されました。

平成30年1月29日に東京都渋谷区のクラブで許可を得ずに
これらの営業を行っていたとして風営法違反(無許可)で
経営者らが警視庁により逮捕されました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180129-00000041-mai-soci

この摘発は法改正以降初の摘発です。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:18| Comment(0) | ダンス規制 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月25日

クレーンゲームの風営法

風営法によりクレーンゲームを設置して客に使用させる場合、クレーンゲームはゲーム機で風俗営業とされており、原則として風俗営業許可が必要とされています。許可の例外として俗に言う10%ルールがあり、これは店の一部だけにゲーム機を置くような営業です。もちろん、10%ルールが適用されて許可が不要となってもゲーム機を置いて営業を行なっていれば風俗営業である事に変わりはありません。
ゲーム機を置く営業は風営法第2条第1項第5号のゲームセンター営業となります。ゲームセンター営業における規制として遊技の結果に応じて景品を提供してはならないとされています。ゲームセンターの中でドライブレースを行なって優勝者にトロフィーを渡す等はできないという事です。ただその中で警察庁の通達である解釈運用基準によりクレーン等で800円以下の物吊り上げてそのまま提供した場合は、この禁止規定に該当しないとされています。逆を介せば800円を上回る景品が提供されるクレーンゲームは風営法違反となります。他にもクレーンゲームで吊り上げたカプセルに入っているクジと景品を交換する行為等もこの行為に該当せず風営法違反になります。
先日、大阪で高額賞品が入っているものの取れないクレーンゲーム営業者が詐欺容疑で摘発されましたが、万が一その高額賞品が実際に取れてた場合は詐欺容疑ではなく風営法違反になったと考えられます。
風営法において賞品提供が一定のルールのもと認められているケースは麻雀以外の風営法第2条第1項第4号(麻雀を除く)に限られています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 18:30| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月19日

風営法既得権と火災対策等

先日、風俗店火災にて多くの死傷者が発生しました。この様な歓楽街にある建物で火災が発生すると多くの死傷者を出す要因に風営法の既得権問題があります。
日本の消防法や建築基準法は火災や地震等の天災も含めて多くの犠牲者が出ると様々問題点が議論され再発を防ぐ為に法改正が行われていきます。これにより安全基準が引き上げられ次のリスク軽減が行われていきます。

ただ法改正が行われて基準強化されても改修されない建物も多くあります。改修されない理由は様々です所有者の経済的理由等もありますが、風俗店が入る建物に関しては風営法が影響している場合もあります。
風営法に規定される店舗型性風俗店(ソープランド、ファッションヘルス、ラブホテル、ストリップ劇場等)は各都道府県の条例により営業が多くの地域で禁止されています。但し、条例で規制される前から営業している場合に限り同じ場所で同じ営業者が同じ構造を維持する事により禁止規定の例外とされます。これが既得権営業と呼ばれています。
既得権営業の店はもう二度とできない営業である事からも高値で営業法人の株式が売買される程価値があるとされています。
その既得権営業を営む店にとって改修工事は既得権を失う恐れがある行為にも繋がる事から古い建物がそのまま使われているケースが多くあります。また建物の老朽化により本来であれば建替時期が到来している場合でも風営法の規定では建替を行えば既得権は消滅するとされています。高い価値を維持しようと古い建物をそのまま使って営業を継続しようと考える事に繋がります。
過去の災害事例としてもラブホテル等の火災では多くの犠牲者が出ています。風営法による規制も安全上の理由で、店の規模等が同一になる事を条件にする等で改装を認めない限りこの問題は年々増加する可能性はあるかと思います。
ラベル:防災 建直し 改修
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 23:47| Comment(0) | 既得権関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月17日

風俗店火災で死傷者多数

12月17日午後2時頃にさいたま市大宮区の風俗店(個室付特殊浴場)にて死傷者多数となる火災が発生したようです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171217-00000052-jij-soci

この様な風俗店は建替えや改修には風営法規制の関係で大きく制限され古い建物が多く、燃えやすかったり通路が狭かったりするケースが多くあります。また改修可能な場合においても個室型風俗店の場合は算定上の収容人員が少なく避難通路が広く設計されていないケースがあります。更には、この様な風俗店で火災等が発生してもお客さんも直ちに避難しないケースもあり逃げ遅れの原因となります。


posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 20:56| Comment(0) | 歓楽街総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月01日

大手居酒屋が風営法違反で書類送検

大手居酒屋チェーン店が客引により風営法違反で書類送検されました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171201-00000005-tbcv-l04

風営法では風俗営業等でなくても深夜飲食店が客引きする事は禁じられています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:28| Comment(0) | 歓楽街総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月18日

バーでストリップショー

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171013-00000561-san-soci

兵庫県神戸市のバー店内で女性従業員にストリップショーをさせたとして兵庫県警兵庫署により経営者が逮捕されました。
裸体を見せる等の営業は風営法第2条第6項第3号の営業に該当し、営業可能な地域が限定的となっています。また、営業可能な地域で営業を行う場合は公安委員会に対して届出が必要となっています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:20| Comment(0) | 性風俗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月26日

性風俗店の相続

風営法上適法に店舗型の性風俗店を営む者が亡くなった場合、その営業は相続人が相続して適法に営む事は風営法上可能なのか?との問いに対して答えは不可となります。風営法において性風俗店に関しては届出制を採用していますが、これらに対しては相続の規定が存在しません。よって営業者が亡くなった場合、それを引継ぐ者が新たに届出を行なって営業を行なう必要がありますが、その時点で当該場所が店舗型性風俗店禁止地域等に該当する場合はもう営業を行なう事はできません。
実際のところ各都道府県条例により店舗型性風俗店は全国多くの地域で営業禁止とされており、条例による規制以前から営む店舗のみが既得権的に営業を行なっている状況です。この様な場合、営業者が亡くなればその店舗の営業は終了する事になります。
時折、弁護士や税理士に店舗型性風俗店の相続相談をされた事がある方からは、相談して相続人が引継ぐ事が可能であると教えられたと言う方がおられます。これは風営法の中に相続に関する規定(*1)があり風俗営業者が亡くなった場合は相続の手続ができると記されているからです。しかしこれが風営法の言葉がややこしい部分であり、風営法で風俗営業者とは社交飲食店やパチンコ等の許可制営業の営業者(*2)をいい、性風俗店等は風俗営業とは記さず性風俗特殊営業等として区別されていますのでご注意ください。


【以下条文引用】
(*1)
第七条  風俗営業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該風俗営業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人の営んでいた風俗営業を引き続き営もうとするときは、その相続人は、国家公安委員会規則で定めるところにより、被相続人の死亡後六十日以内に公安委員会に申請して、その承認を受けなければならない。

(*2)
第二条第二項  この法律において「風俗営業者」とは、次条第一項の許可又は第七条第一項、第七条の二第一項若しくは第七条の三第一項の承認を受けて風俗営業(*3)を営む者をいう。

(*3)
第二条  この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
一  キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
二  喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
三  喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
四  まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
五  スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
ラベル:相続
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 19:39| Comment(0) | 性風俗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月20日

ケバブ店でも風営法適用し処分

ケバブの店が風営法違反で書類送検されました。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6247565

容疑の内容は客引き行為です。

風営法は風俗店等のみならず、一般の飲食店でも一定の場合に適用されます。
大阪等でも風俗営業許可を取得していないガールズバーの客引き等で適用した事例があります。
ラベル:繁華街 客引き
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 歓楽街総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月06日

旅館業法等の規制緩和による偽装ラブホテル増加の恐れ

旅館業法は人を宿泊させる場合に必要な衛生的な基準を定めた法律です。また風営法にもホテルに関する規制があり青少年の健全育成や風俗秩序の維持を目的とした規制がなされています。
風営法のラブホテル規制は風営法第2条第6項第4号に定義されており、その中でも大きくはラブホテル、モーテル、レンタルルーム3つの業態を規制しています。
この中でモーテルは車庫と客室が直通で移動できるタイプの営業であり現在の旅館業法及び旅館業法の規制の中では法を遵守する限り新設する事はできませんので、ここでは説明を割愛します。またレンタルルームに関しては人の休憩の用に供する施設が大前提であり、人を宿泊させる営業(休憩利用やデイユースがあっても宿泊の営業を行なっている場合は人を宿泊させる営業も解す)で旅館業法に基づく許可を取得した場合には適用されない規定ですのでこちらも割愛します。
ここで本題として風営法のラブホテル規制ですが、旅館業法の中でホテル営業と旅館営業(旅館業法にはホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業が定義されている)を前提として規制が行われています。この理由を説明するには旅館業法の4つに分類されている規定を先ずは押さえる必要があります。

・ホテル営業
主に洋式の客室を用いた営業
・旅館営業
主に和式の客室を用いた営業
・簡易宿所営業
多人数が共用する客室を用いた営業
・下宿営業
1ヶ月以上の滞在を行う営業

これが旅館業法の根本的な規定です。
これを見れば簡易宿所営業においてラブホテルを行う事は現実的ではありません。何せ多人数が共用する客室ですから万が一、その中で性的な行為が行われれば公然猥褻等の別の問題が生じます。下宿営業においては1ヶ月以上も寝床を共にする者が利用するラブホテルはなかなか想定できません。この事から風営法におけるラブホテル規制はホテル営業と旅館営業を前提として考えられています。また本題とは異なり余談となりますが風営法の中で旅館業法に触れている部分として特定遊興飲食店営業におけるホテル等内適合営業所における規定では旅館業法の中でもホテル営業と旅館営業のみを対象としています。
ホテル営業と旅館営業に関しては最低客室数規定、帳場規定等が存在します。これに対して風営法では室内が性的好奇心をそそる様な仕様で食堂ロビーが一定面積に満たない場合や、客室案内板と鍵が連動しており客室において非対面で精算できる場合をラブホテルとして定義し年少者の立入り等の各種規制を行なっています。
しかし最近の民泊増加により簡易宿所の最低面積が延べ33平方メートルから人数×3.3平方メートルへと緩和された関係や、行政のオペレーションてきな緩和によりマンションの一室でも旅館業許可が取得できるケースが増えました。特に最近の簡易宿所営業に関しては本来の多人数共用の趣旨を見失い民泊等の小規模施設における許可取得の手段として行政側も運用している実情があります。本来であれば簡易宿所営業は大人数かつ見知らぬ人通しが同じ部屋に寝たり、仕切りはあっても鍵などの措置が無い空間(カプセルホテル等)が前提ですが、今では民泊で用いる様なマンションの一室を1組の客に占有させる事が可能な施設にも許可を出しています。また簡易宿所に監査しては自治体の条例にもよりますが帳場を設ける義務が存在しません。また厚生労働省もこれを推奨する流れになっています。現に民泊では帳場による鍵渡し以外のオペレーションを採用している所も多く存在します。
こうなれば何が起きるかと検討した際に、マンションの一室における実質的ラブホテル(偽装ラブホテル、類似ラブホテルと称されるケースが多い)営業が可能となります。マンションに一室において簡易宿所営業で旅館業法に基づく許可を取得し、対面以外による方法で客に利用させる事が合法的に可能となります。マンションでラブホテル営業をと考える人なんかいないと思われるかもしれませんが、今は通常の民泊を行なっていてもホテルの建築ラッシュや旅行客の減少が将来発生した際には、今は民泊の施設であってもラブホテルに転用される可能性は十分にあり得ます。この事は今の風営法規定ではカバーしきれません。
家の隣が突然実質的ラブホテルになったり、その様な施設が従業員と対面せずとも青少年が容易に利用できるホテルを作る事は今の民泊に対する法的緩和やオペレーション部分の緩和で容易になっています。

偽装ラブホテル問題に関しては長年に渡り各地で住民による反対活動等が行われた結果、風営法の改正や各自治体における旅館業法施行条例等の改正が行われました。訪日需要増加対策は当然に必要ですが、それによるマイナス部分もしっかりと検証した制度設計が必要ではないかと感じます。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする