2016年01月23日

民泊問題とラブホテル

観光客の増加等により民泊が増える中、国家戦略特区法による旅館業法の適用除外が一定の要件の下で認められる事になりました。また、これに留まらず旅館業法の規制緩和の議論も進んでいます。
国家戦略特区法による外国人滞在施設経営事業に関しては最低利用日数の規定や主として外国人が滞在する事を前提としている関係上大きな問題はないと思われますが、旅館業法において今議論されている部分として簡易宿所営業の規制緩和に関しては新たな偽装ラブホテル問題に発展する可能性があります。

ラブホテル対策は風営法の中で全てが行われていると思われがちですが、風営法において過度な規制を行うとハネムーン向けのリゾートホテルやデイユースを行うシティーホテルまでもが風営法の規制対象になる等から限界があります。風営法においてラブホテルとして扱われるには、構造と設備等の要件が組合さって初めて適用される形です。

http://fuei-kaisei.com/f_hotel.html
↑風営法によるラブホテルの条件↑

この事から一般にラブホテルと見える施設であっても風営法の規制対象とされていない施設はかなり多く存在します。そんな中で新たなラブホテルが住宅街や学校等の近所に進出しない事や、ホテルと称して風俗店のプレイルームになる事を防ぐ手段としては旅館業法に基づく各地域の施行条例です。さらに各地域においてはラブホテルの建築規制条例が存在する所も多く存在します。
これらの関係でホテル等の許可(旅館業許可)を取得する事に関するハードルはかなり高くなっており、新たなラブホテルが進出し難い状況が構築されています。特に客室が多い大型施設でのラブホテル運営は実例が少ない事から小規模な施設ほどハードルが高く設定されている所が多く存在します。その結果、マンションのワンフロアーがラブホテルであったり、住宅街の小さな民家がラブホテルであったりする事は避けられています。この問題は一般のラブホテルというより、実質的な風俗店のプレイルームになる事がより大きな問題として考えられます。

しかし、仮に今議論されている旅館業法に基づく簡易宿泊所の要件等緩和等がなされて、民泊で用いられるような分譲マンションの1室が旅館業としての許可を取得した場合、そこが旅行客向けに使われるのではなく、カップルの休憩利用や風俗店のプレイルームにされてしまう可能性があります。極端な言い方をすれば、自宅の隣がある日風俗店になる様な状態が予測されます。

旅館業法の規制緩和を行うに際してはラブホテル対策が再度重要になると思います。
また、現行の風営法では実態上のラブホテルに対して半分程度しか規制対象とできていない事からも、規制構造の根本的見直しも含めて対応しなければ、長年に渡るラブホテル対策は民泊問題により僅かな期間で全てが白紙に戻る危険性があると思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 性風俗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月11日

相次ぐホテル火災と民泊問題

今年に入り東京都新宿区でホテル火災が既に2件発生し、1件では死者を出す結果となっています。
宿泊施設における火災は発生すれば多くの死傷者を出す事が多く、この様な事故が発生するたびに消防当局の指導強化や、場合によっては消防法の改正が行われています。しかし、ホテル火災による犠牲者の発生は無くならない事から、今後も消防法令等の強化は続けられえると考えられます。また、消防法は建築基準法の既存不適格扱い(規制制定以前に建築されており、規制の制定により不適格な部分が生じたものの、増改築等を行うまではそのまま使用しても違法ではないとの考え方。)の様な考え方はなく、消防法が改正されたら随時適合させていく必要があるとされています。建物の所有者等からすれば大変厳しい法律ではありますが、人命には変えれない事から厳しい規制となっています。
民泊問題に関しても今春一部自治体で国家戦略特区法に基づきスタートする外国人滞在施設に関して建築当局は住居施設と看做して運用するとの見解に対し、消防当局は空住居を使用した施設であっても消防法上は宿泊施設であるとの判断を示しています。(建築、消防行政は地方行政である事から、地域により見解の差異があります。)
外国人滞在施設の認定申請を受ける事により旅館業法の適用を除外され、建築基準法上も宿泊施設として看做さない事から建築基準法に基づく用途変更等は不要となります。しかし、この場合でも消防法上は宿泊施設であり施設によってはスプリンクラーの設置、火災通報装置の設置、防火管理者の設置、宿泊施設に適合する消防計画の提出等が必要となります。この事は民泊施設の運営に関しては現実的でない部分もあり、消防法上の規制緩和等を求める意見もありましたが、ここへ来て相次ぐホテル火災が発生したことにより民泊施設に対する消防の規制緩和は見送られる可能性が高いと思われます。
住居の空室対策、増加する旅行客に対する宿泊施設の提供問題がありますが、やはり人命第一の観点から消防法上は一般のホテルであれ民泊であれ住み慣れていない人が一時的に宿泊する施設には基準の厳しい規制が必要と考えられます。
タグ:民泊 火災
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 02:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月03日

2016年の風営法

新年明けましておめでとうございます。
2015年は風営法にとって規制構造を大きく変える形となる法改正が行われました。そして、2016年はその改正が施行され新たな内容による運用が開始されます。この改正はダンス規制の見直しという位置付けで行われましたが、ダンス以外の営業においても長年風営法の中で定着していた「日の出」という定義が撤廃される等、風営法全体で大きな見直しとなりました。
ダンス規制見直しを行うに際して各所で様々な議論が行われましたが、見直し議論の終盤は閣法により法改正を行う方向性となった事もあり、急いで法改正ありきへ流れた感じがあります。その結果、議論が不十分な部分もある中で改正されたとの意見もあり、法改正後には改正法の検証や更なる見直しの議論は継続する必要はあると思われます。

風営法の中において最も件数が多いとされる社交飲食関連(接待を伴う営業)においても1号営業と2号営業が合体される等、2016年には社交飲食関連にも新たな風が流れます。また、ダンス規制の見直しの影響により「接待」の定義に関する見直しも行われます。
この業種はやはり風営法のメインであり、今年も許可を受けずに接待飲食を行う店に対する指導や取締は引続き強化されると見込まれます。特に年少者や不法就労外国人を雇用している店や違法な客引きを行う店に関しては厳しく取締られると見込まれます。

パチンコ関連営業に関しては2015年末に不正改造問題が発覚し、2016年においても本来法律が想定しているパチンコ営業と異なる営業に関しては警察側も厳しく指導等を行っていくものと思われます。また同様に、ゲームセンター営業等においてもクレーンゲームで高額な賞品を提供する等の本来ゲームセンターが想定していない営業に関して厳しい指導等を行っていくと思われます。
さらにゲームセンター規制に関しては換金を伴わないアミューズメントカジノが増加傾向にあり、今カジノ議論がされている中で現状のルールを徹底される動きが強まっています。

性風俗関連営業においては一部地域を除いて店舗型の新規出店ができない事から、毎年多くの違法店が出店され、それを警察側が摘発するといった流れが続いています。今年もその流れは続くものと思われますが、昨年あたりからは「マンションエステ」が増加しており、その中で単なるエステ店を装い違法な性的サービスを行っているケースがあります。今までは1つの店舗に複数の個室を設ける事がこれらの営業における主流でしたが、場所の特定がされ難いマンション型が増加しています。しかし、昨年より一般のマンションを「民泊」と称して旅行客等に宿泊されるケースも相次いでおり、マンションに住民以外の者が出入りする事に対し、住民から警察やマンションの管理会社等へ通報するケースもあり、マンションエステ、民泊と共にマンションにおける商行為問題とされています。

風営法はその時代や地域に合わせて見直しや運用が行われるものであり、2016年も様々な動きがあると思われます。

新たな動き等がありましたら、またこの場でお伝えして参りますので、本年も宜しくお願い申し上げます。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 風営法全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月31日

改正に伴う手続開始まで3カ月をきりました

平成28年6月23日に施行され新たに風営法の対象業種として創設される特定遊興飲食店営業の許可申請が平成28年3月23日より開始されます。
風営法に基づく許可申請の処理期間(申請から許可までの日数)は申請時期等により処理に要する期間が変動し、個別具体的な処理を要するため、標準処理期間を定めることはできないとされており、一概に期間を特定する事はできませんが、処理に要する目安期間は警察庁が作成したモデルを基準に各都道府県により目安期間が設定されており、現在の風俗営業においては各都道府県により45日〜55日として設定されています。(この期間に休日を含むか含まないかの判断も都道府県により異なる)新たに創設される特定遊興飲食店営業の許可申請においては、許可申請の必要書類や審査事項、許可手数料等が風俗営業と同等の為、処理期間も同等になると見込まれます。
今回の法改正に伴う事前手続期間は3カ月間であり、2カ月弱の処理期間であれば3〜4月の間に申請をすれば6月23日の施行日に許可が間に合うと理論上はなるのですが、改正時は多くの申請が警察に対して行われる為、通常時の処理期間では許可に至らない恐れがあります。4月中頃に申請しても理論上は6月23日に間に合うはずが、今回の場合は間に合わない可能性があるといった感じです。
これは警察側が理由なく処理期間を延ばしているのではなく、法律で定められた審査基準を全て確認審査すると共に、新たな許可業種であり更に時間を要する事、更には法改正に合わせて多くの店が同時期に申請を行い通常時では想定しきれない件数を処理する事等から、通常より長い処理期間が必要になると思われます。
3月23日の手続開始直後に申請を行う事、更にその準備を年明け早々には開始する事が6月23日の施行日より営業を開始する為の最善策と思われます。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月11日

大阪府風営法改正に基づく条例の議会提出

大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部改正案が12月14日に大阪府議会へ提出される事となりました。

この議案は風営法改正に伴うもので、特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域等が定められます。
提出案の内容通り条例が可決された場合、大阪府において特定遊興飲食店営業は以下の地域のみで営業可能となります。

大阪市北区のうち梅田1丁目(1番から3番及び11番)、角田町(1番及び5番から7番)、神山町(2番から10番)、小松原町、曾根崎1丁目、曾根崎2丁目、曾根崎新地1丁目、太融寺町、兎我野町、堂島1丁目、堂島浜1丁目、堂山町(1番から13番及び16、17番)、西天満6丁目の区域及び大阪市中央区のうち心斎橋筋1丁目、心斎橋筋2丁目、千日前1丁目、千日前2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目(1番から10番)、道頓堀2丁目、難波1丁目、難波2丁目、難波3丁目、難波4丁目、難波千日前(1番から3番及び10番から13番)、西心斎橋1丁目、西心斎橋2丁目、日本橋1丁目(2番、3番及び18番から20番)、日本橋2丁目(5番に限る)、東心斎橋1丁目、東心斎橋2丁目の区域。
但し、児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設(児童等が入所するものに限る。)又は医療法第1条の5第1項に規定する病院若しくは同条第2項に規定する診療所の敷地周囲おむね100メ ートル(当該施設が商業地域にある場合は50メ ートル)の区域を除く。

今回の法改正に関する概要は以下を参照ください。
http://fuei-kaisei.com/gai_27_11.html
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月22日

兵庫県でもパブコメ開始

風営法改正に基づく条例改正に関するパブコメが兵庫県でも11月20日より開始されました。
大阪や京都などは既に終了していますが、兵庫県では12月10日までの受付です。

内容としては他都道府県と大きな差はなく、特定遊興飲食店の営業所設置許容地域は現在の営業延長許容地域(深夜1時まで営業可能な地域・神戸市中央区、神戸市兵庫区、尼崎市、姫路市それぞれの一部地域)とされています。
その他項目も他の都道府県と大きな差はありませんが、朝方の営業制限が午前5時以降の禁止とする地域が多い中で兵庫県では午前6時から午前10時とされています。

パブコメはこちらより
http://www.police.pref.hyogo.lg.jp/pubcom/index.htm
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月13日

改正風営法の政令等が公布されました

平成27年11月13日、風営法改正に伴う改正政令等が公布されました。
改正法の施行は平成28年6月23日となります。改正に伴う特定遊興飲食店営業の許可申請は平成28年3月23日より行われます。
この後は各都道府県条例が可決される事により、今回の各種規定整備は終了となります。各都道府県条例は年内又は年明けの都道府県議会により可決されます。

公布された内容等、今回の改正内容はこちらをご覧下さい。
http://fuei-kaisei.com/gai_27_11.html
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 14:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月03日

何故旅行客が増えているのに旅館業の規制緩和がされないのか

風営法に直接関係ない部分もありますが、今話題の「民泊」に関して。

外国人等の観光客が増加し、各地で宿泊施設不足が問題となっています。

宿泊施設は旅館業法に基づき許可を取得する必要があります。
また、建築基準法や消防法においては宿泊施設としての設備等を備える必要があります。
しかし、宿泊施設不足が問題となるなかで「民泊」と言われるマンション等の空室を旅行客に提供する行為が急増しています。
そもそもこの事は合法なのでしょうか?
旅館業法の規定では
@施設を設け
A宿泊料を受け
B宿泊させ
Cこれを業として
この4つ全てが重なった場合に旅館業法として許可が必要と考えられています。
なお、ここでいう「宿泊」とは寝具等を使用して施設を利用すると定義されていますので、布団やベッドが客室に存在し、客がそれを利用する状態と解されます。また、業としての部分は、同じ施設において継続的に宿泊させる状態と解されます。
本来民泊とは個人宅に宿泊するという意味ですので、家の主が不在の日に家を貸したり、家の中の空いている部屋に旅行者を宿泊させたりする事です。これを民泊用にマンション等を所有し、旅館業法許可を取得せず旅行客等を宿泊させることは旅館業法違反になると解する事が出来ます。

民泊で有名な「Airbnb」のヘルプには
「Airbnbでホストを始めるかどうか決める際には、お住まいの地域の法令を理解しておくことが重要です。
自治体によっては、短期宿泊客を有料で泊める活動を規制する法律がある地域もあります。これらの法律は市の条例や都市計画法に含まれていることが多いです。物件掲載もしくはゲスト受け入れの前に登記・許可もしくは免許が必要になる自治体も多数あります。また、特定種別の短期賃貸を全面禁止していることもあります。こうした法の施行の仕方は各自治体によって大きく異なり、罰金その他の処罰が科せられることもあります。」
という記述があります。日本国内で行うにはホスト(貸主)の責任で旅館業法や各種法令を確認順守し行う必要があります。この他に海外では家主に対し無断で転貸借を行ったとして法律問題になった事例などもあります。

では民泊を行うには旅館業許可を取得すればという事ですが、現実的にマンション等の住居用建物で旅館業許可取得は困難を極めます。
旅館業法の規定では1室のみの旅館業は認めていない事や、フロントやロビー等各種構造基準を定めている事により、旅館業許可の取得は困難です。この様な旅館業法の基準は古いものであり、時代のニーズに合わせた見直しを行うべきではとの声もあります。
しかし、問題はこの旅館業法だけではありません。もっと重要な部分に建築基準法や消防法があります。
建築基準法や消防法で住居はある程度規制が緩和されている部分があるのですが、宿泊施設においてはかなり厳しい安全基準が設けられています。それでも数年に一度のペースで宿泊施設において火災が発生し多くの死傷者を出す事故が発生している実態もあります。
この様な状況下において宿泊施設に対する安全基準の緩和は現段階では到底行う事はできません。
また、マンション等住居施設でも消防法の問題は消防設備の増設等で費用は掛かりますが対応できるケースがあります。しかし、建築基準法上の問題は住居として建築された建物を宿泊施設に変更する事は不可能なケースが多く存在します。
避難用階段の数に違いがあったり、住居の場合は廊下等が容積率計算から除外されている部分が宿泊施設へ変更する事により加算され容積率オーバー、用途地域の問題等改善不可能な事も多くあります。

そもそも住宅と短期で人が入替る宿泊施設では安全上の問題や周辺へ与える影響等が異なります。
実際にマンションの1室で民泊させているケースで入居者と外国人宿泊者との間でトラブルになるケース等も増加しはじめています。
現在、各地域の議会で条例が可決されている国家戦略特区による民泊の緩和に関して、最低滞在日数が7日とされている部分に関しても、建築消防の問題等がクリアされていない事からこの様な規定が残されているといわれています。

この問題に関して行政側も問題意識はあるものの、無許可ホテル等大きな施設ではなくマンションの1室等である事から対象施設の把握が難しい事、対象数が多すぎる事から民泊を行っていても行政から何ら指摘を受けず業として民泊を続けている人が多いことも事実です。

しかし今後、民泊を行っている施設で火災等が発生し、死傷者等を出す事故が起きる様な事があれば一気に行政等の指導取締が強化される事は間違いありません。
早い段階で旅館業法だけでなく、建築基準法や消防法その他関係法令を含めた見直し議論を行い、安全性の配慮を最大限に行ったうえで現状と法の調整を行う事が必要かと思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月30日

風営法改正によるキャバクラ等の深夜営業

キャバクラ、麻雀、ゲームセンター等の風俗営業に関する営業時間規制は原則深夜0時まで、条例により午前1時まで延長可能とされていましたが、今年6月の法改正で条例により朝まで営業時間を延長する事が可能となりました。この事で風営法としてはキャバクラ等の深夜営業を認める形となりました。

しかし、現在各都道府県において示されている条例案では営業延長時間を午前1時までとしている都道府県ばかりで、実質的にキャバクラ等の風俗営業においては法改正施行後も深夜営業はできない事となりそうです。
勿論、条例はこれから正式可決していきますので、それまでに変わる可能性が0ではありません。

今回の改正による営業時間の見直しは結果として実態に反映されない法改正とも言える状態です。
何故この様な意味を成さない法改正が行われたのでしょうか。
この理由としてはダンス規制を削除するにあたり、現在の3号営業を
・10ルクス以上で0時までの営業(一般飲食店)
・10ルクス以下の営業(低照度飲食店・風俗営業)
・10ルクス以上で深夜の営業(特定遊興飲食店営業)
の3つに移行させる事となったのですが、低照度飲食店は風俗店であり深夜営業が現状認められていない事から法改正段階で条例により延長可能とし、10ルクスに満たない営業においても深夜ダンスさせる事を理論上可能にしました。
しかし、条例制定は短い期間で行う必要があり、新たに創設される特定遊興飲食店営業に関する立地規制の調整だけでも推進派、反対派の両面に対して行う必要があるなど、大変な状況になっている現状があります。その中で更に風俗営業の営業時間を延長するとなればダンス営業より圧倒的に多い社交飲食店等から生ずる影響等の検証や利害関係者等の調整作業が必要となり、現実的に難しい状況と思われます。

さらにダンス規制に関しては多くの人が深夜営業を求める声をあげたり、大阪や東京等では3号等の許可を有する事業者が業界団体を結成し営業の健全化に向けた取組等を実施してきました。
その一方、キャバクラ等の業界に関しては、そもそも今回の法改正に関する情報があまり伝わっていない事もあって、時間延長を求める様な陳情等もさほど行われていません。その結果、風俗営業に関する営業時間延長に関しては多くの議論すらされる事無く見直しが行われない見込みです。法律や条例等は求める人がいない限り緩和がされる事はないのです。

しかし、今回法律は改正されているので、今後各都道府県毎に事業者が連携し健全化に向けた取組を行い、各地域の住民や行政と対話を行う事等により、各都道府県の条例が見直される可能性は十分にあります。
また風俗営業を深夜帯に認める事は周辺環境等に悪影響だけでなく、無許可営業店や客引きの排除等にも繋がるとも考えられますので、今後一切見直しの余地が無い話ではありません。

なお、ダンスの深夜営業や風俗営業の営業時間延長は単に延長されるだけでなく、深夜帯の営業において周辺対策等に関する新たな義務が課さられた状態での営業となり、周辺住民等への配慮も行われた法改正となっています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 風営法全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

法改正で生まれる不公平

今年6月にダンス規制等見直しによる風営法改正が国会で成立しましたが、この改正により不公平が生じる可能性が高くなっています。

現行法ではダンスをさせ飲食をさせる営業は風俗営業の許可を取得して営業する事となっており、許可を受けた店舗の営業時間は原則深夜0時まで、一部地域で例外的に深夜1時までとされています。
今まではこの様に地域等による営業時間の差は1時間でした。

しかし今回の法改正により新たに設けられた「特定遊興飲食店営業」という深夜にダンスを含む遊興をさせ飲食(酒類)させる許可業種は営業が可能なエリアに大きな規制があります。
特定遊興飲食店営業として営業できないエリアにおいてダンスをさせる営業を行う場合、風俗営業等の許可は不要ですが営業は深夜0時までとなります。一方特定遊興飲食店営業に関しては現在条例案が出ている多くの都道府県において午前5時まで可能になる見込みです。
改正法施行後はエリアによって5時間の営業可能時間差が生じます。
特に可能エリアと不可能エリアの境界線付近では大きな問題が生じる恐れがあります。
極端な事例として道路を挟んで向かい合う店舗で片方は朝まで営業、片方は0時までの状態となった場合、お客さんは遅くまで利用できる店に早い時間帯から集中する事が想定されます。こうなればエリア外の店舗にとっては死活問題にも繋がります。

国としては今回の法改正では今まで可能であった営業時間帯(0時以前)までは今まで通り営業が可能であり、改正による損失は無いと考えておられるようですが、この様に店舗間における不公平が生じ、その結果損失を被る店舗が現れる可能性があります。
各地の条例可決まで残る時間も少なくなっていますが、法改正により不利益を被る事が無い様な条例整備がなされる事を願います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする