カラオケボックスと風営法の関係はどの様になるかを簡単に検証してみます。
風営法には様々な業態が規定されています。
http://fu-ei.info/に作成中のHPですが一覧があるので参照下さい。
これらの中から該当するものがあるかを見ていきます。
・2条1項1号及び2号に関しては「接待」行為が含まれます。一般的なカラオケボックスにおいて店員が客に対して接待する事はないので、これには該当しません。
・2条1項3号及び4号に関しては「設備を設けて客にダンスをさせる」が定義に含まれます。カラオケボックスにおいて客が個室内で歌って踊ってと盛り上がる事はよくありますが、これが「ダンスをさせる」に該当するかがポイントになります。
カラオケボックスの場合、客は個室を借りてその室内で客が勝手に歌ったり踊ったりしています。
逆に3号営業のクラブの様な場合は、店側(主催者)が存在し、そのフロアー内で客を躍らせていると解されます。ポイントとしては「ダンス行為」が「営業」として行われているか否かとなります。
カラオケボックス内で踊っている場合は「営業」には該当せず、客達の自由な行為となります。
但し、カラオケボックスのパーティールーム等を誰かが借りて、その者が主催者としてダンスイベント等を行う場合はその主催者による営業行為となりますので、その主催者が3号の営業者に該当します。
風営法における場所借り営業は通常の賃貸借契約にて借りている場合と同様の考えになりますので、一時的な場所借りでも借りた側に許可取得の義務が生じます。
ただ結論としてカラオケボックスは3号及び4号には該当しません。
・2条1項5号に関しては10ルクス以下の暗い部屋という事が定義ですが、通常カラオケボックスの明るさはそれ以上と考えられ、これには該当しません。但し、極端に部屋が暗いカラオケボックスを作る場合はこれに該当する可能性はあります。
・2条1項6号に関しては広さが5平方メートル以下の営業に適用されます。一般的なカラオケボックスに関してはこれ以上の広さを有していますので、これにも該当しません。但し、5平方メートル以下の個室を設けて、ドリンク等の飲食物を提供するとこの営業となり許可が必要になります。
・2条1項7号及び8号に関してはパチンコ、麻雀、ゲームセンターの規定です。基本的には該当しませんが、通常のカラオケ機器以外にゲーム機を設置する場合等はゲームセンター営業に該当する事になります。
・2条6項から11項に関しては基本的には該当する要素がありません。
但し、カップル専用のカラオケボックス、カラオケのモニター画面が殆どアダルト映像等の場合は該当する可能性はあります。
・法32条に関しては通常のカラオケボックスの場合、ドリンクなどの飲食提供がありますし、深夜に営業している事からこれに該当します。
ただ、32条の営業はファミレス、ファーストフード等の場合でも深夜に営業していれば該当する営業であり、届出等の手続も一切ありません。但し、法32条1項2号に定める「深夜において客に遊興させないこと」という規制は対象になります。また、32条1項1号の構造基準が適用される為、個室の広さを9.5平方メートル以上にする必要や、客室の明るさを20ルクス以上にする必要はあります。
・法33条に関しては「酒」が提供する飲食物の主であれば該当します。一般的なカラオケボックスに関しては米飯、ピザ、めん類等のフードの提供比率が高いことからこれには該当しない事が多いとされています。但し、提供の内容によっては該当してくるケースも考えられます。
よって、一般的なカラオケボックスにおいては法32条の深夜飲食店(飲食物の提供内容により33条の深夜酒類提供飲食店営業)の部分が該当すると考えられます。
風営法とは直接関係ないですが、最近では各自治体条例でカラオケボックスに対する防音の基準や夜間の年齢制限等が行われています。
さらに当然の事ですが建築基準法、都市計画法、消防法等の規制は当然に対象となるので、それを遵守する必要はあります。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:15|
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