2018年06月03日

ダーツバーと特定遊興飲食店

ダーツバー(ここでは点数がデジタル表示されるダーツ機を設置した飲食店を対象として書きます)も遊興に該当するので深夜に営業する場合は特定遊興飲食店許可が必要であるといった話を耳にする事があります。またこの様な内容の指導を警察から受けたといった話も耳にする事があります。本当にダーツバーが特定遊興飲食店に該当するのか検証してみたいと思います。

特定遊興飲食店の定義は風営法第2条第11項にあり
「この法律において「特定遊興飲食店営業」とは、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る。)で、午前六時後翌日の午前零時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)をいう。」
とされています。これを分解すると
「設備を設け」+「遊興させ」+「飲酒させる」+「深夜」
と解する事ができ、ダーツバーの場合はダーツ機を設置して客に遊ばせる(遊興させる)、それを深夜で酒を提供するならば該当するとして解釈されるケースが多いようです。しかしこれでは大きな見落としがあります。11項の最後に「(風俗営業に該当するものを除く。)」という事が書かれており「風俗営業」とは風営法第2条第1項に
「この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。」
と定義されています。各号とは1〜5号までが存在し5号の営業として
「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)」
そもそも従前よりデジタルダーツ機は風営法上ゲーム機扱いが成されており、ダーツバーは風俗営業という事から特定遊興飲食店営業には該当しないというのが結論です。

風営法での業態の定義は風俗営業→性風俗関連営業→飲食店営業(特定遊興→飲食店)の順となっており、適用の判断をする場合は前から順次適用され、適用された段階で後ろの判定を行わないのが基本的な考え方となっています。

さて実態として多くのダーツバーは風俗営業の許可を受けていませんが、これは風営法解釈運用基準第3中3(1)イにある10%ルール(店の規模に対して遊技部分が少ない場合の措置)を適用しており風俗営業の許可を要しない扱いが成されています。ただよく誤った認識をされている方がおられますが、10%ルールを適用されて許可が不要とされた場合でも当該営業は風俗営業に変わりありません。なお許可を受けて営む場合は法第2条第2項の「風俗営業者」は許可を受けて営む者に限定されており10%ルールの適用を受けている場合は「風俗営業を営む者」として区別されます。一見同じ様にも見えますが「風俗営業者」は営業規制として法第12条〜第27条までが適用される事に対して「風俗営業を営む者」は法第23条及び第24条に限って規制されます。これにより全ての営業において賞品提供行為等は記載されますが営業時間規制等は許可を受けている営業に限って規制されている事から多くのダーツバーでは深夜営業を行っています。

となれば風俗営業でも許可が不要(10%ルール)の営業では深夜遊興させてもいいのか?という疑問が残ります。これに関して解釈運用基準による「客に遊興をさせる」では「のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為」が該当行為に列挙されている事に対して「ボーリングやビリヤードの設備を設けてこれを不特定の客に自由に使用させる行為」は該当しない部分に列挙されています。これらの考え方は平成28年の風営法改正以前より存在し10%ルールの適用を受けているダーツバーは基本的に客が機械に料金を自ら投入しダーツを行っており深夜遊興には該当しないという考え方であり、法改正後においても特定遊興飲食店に該当する事にはなりません。

ただ、10%ルールの適用を受けているダーツバーで深夜に大会等を行って客に参加させる等する場合は特定遊興に該当してしまうのではないのかとも思えます。これに対して平成28年法改正と同時に改められた解釈運用基準第24中4(2)で
「例えば、遊技設備を用いた競技大会であって客に参加させるものを恒常的に開催するバーのように、遊技設備を用いて客に遊興をさせ、かつ、客に飲酒をさせる業態の営業を深夜に営もうとする場合は、遊技設備を用いて客に遊興をさせることにつき法第2条第1項第5号の営業の許可を受ける必要がある。当該営業は全体として風俗営業に該当し、これを営業延長許容地域で深夜に営もうとする場合には、特定遊興飲食店営業の許可を受ける必要はない。このような営業において、仮に遊技設備が少なく、客の遊技の用に供される客室の部分の床面積が小さかったとしても、第3中3(1)イの取扱いは行わず、法第2条第1項第5号の許可を受けなければならないこととする。」
とされており大会等を行うケース(遊興に該当する様なケース)では10%ルールの条件に当てはまっても風俗営業許可不要の扱いにはならず結論として特定遊興には該当しないとなります。

色々と批判される事もありますが、私自身はこの解釈運用基準を見た時に感じた事として、改めて日本の官僚の能力の高さに驚きました。ダンス規制見直しを主な目的とした法改正ではありましたが、改正後に法の中で新たに矛盾や疑問が生じる恐れのある部分を予め検討して明文化しています。ただ問題は国の官僚が目的や意味をしっかりと理解して明文化しても運用する地方自治体の警察官が全てを理解する事は現実的には難しく、現場が混乱してしまうのが現実の世界です。多岐に渡る警察官の仕事に中では風営法の占めるウエイトは僅かですし、風営法対象の中でも特定遊興の対象になる店舗は数%であり、やはり誰もが分かりやすいルールになる事が理想なのかと思います。
ラベル:ダーツ 特定遊興
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2016年06月24日

風営法が改正されました

平成28年6月23日
改正風営法が施行されました。

これにより一定の条件を満たしたダンスを伴うクラブ等が深夜の営業を行う事ができるようになりました。
また、深夜帯営業かつ酒類の提供又は低照度以外の場合は飲食店許可だけでクラブ営業が可能となりました。
これ以外にも改正により変更される主な点は以下の通りです。

・クラブにおいて早い時間帯らなば年齢制限が及ばない事からキッズイベント等の開催が可能になる。

・ゲームセンター営業において保護者同伴の場合は夜の営業に年少者の入場が可能となる。

・風俗営業や性風俗営業の営業開始可能時間が「日の出」から「午前6時」に変更される。

ラベル:法改正
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2016年05月14日

風営法改正まであと40日

ダンス規制見直し等の風営法改正まであと40日を切りました。
今回の改正によりダンスをさせる営業は風俗営業ではなくなりました。改正後ダンスをさせる営業には許可が不要となります。但し深夜には酒類を提供しながらダンスを行う場合は特定遊興飲食店営業の許可が必要となります。
今は改正後に深夜に酒類を提供しながらダンスをさせる営業を行う予定の店では許可申請の審査が行われています。許可申請の手続方法や審査項目は風俗営業許可に準じるものの、やはり特定遊興飲食店という新たな制度である為に今まで無かった概念での審査ポイントがあり、警察等による現場検査時には通常よりも多くの検査官や警察官がお店に来ます。その中で新しい法律の基準や取扱を確認しながら検査を進めていきます。
当事務所では法改正に合わせた申請を30件程度実施しており、その中でも大阪においては既に半分近くのお店において検査が終了しています。件数を重ねる中で警察等もかなり取扱は慣れてきており、検査時間も短くなってきています。
今回の検査はお店側も警察側も立会う行政書士も皆が初めてのケースに臨みます。この検査時に現場で検討が行われたものが今後の特定遊興飲食店におけるルールへと繋がることも沢山ありますので、こちらも一切の妥協をする事無く納得行くまで議論と検討を行っています。お役所は前例を大事にする傾向が強いので、今回の様な初のケースは大変重要です。
単なる取締り目線だけでなく、今回の法改正の趣旨等に沿った運用が今後も続けられる様に引続き対応を行ってまいります。
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2016年03月24日

特定遊興飲食店営業の許可申請開始

3月23日よりダンス規制見直しに伴う風営法改正により新たに創設された特定遊興飲食店営業の許可申請が開始されました。
なお、許可の効力が生ずるのは6月23日からとなります。
許可申請に関しては風俗営業許可申請と同様の手続が必要となります。
ラベル:特定遊興
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2016年02月22日

大阪府の風営法条例施行規則が公布されました

大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例施行規則が平成28年2月22日に公布されました。
これにより、大阪府下における特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域が正式に決定されました。

大阪府下における特定遊興飲食店営業(深夜+酒類提供+遊興)が可能な地域。
・大阪市北区
梅田1丁目(1番から3番及び11番)、角田町(1番及び5番から7番)、神山町(2番から10番)、小松原町、曾根崎1丁目、曾根崎2丁目、曾根崎新地1丁目、太融寺町、兎我野町、堂島1丁目、堂島浜1丁目、堂山町(1番から13番及び16、17番)、西天満6丁目
・大阪市中央区
心斎橋筋1丁目、心斎橋筋2丁目、千日前1丁目、千日前2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目(1番から10番)、道頓堀2丁目、難波1丁目、難波2丁目、難波3丁目、難波4丁目、難波千日前(1番から3番及び10番から13番)、西心斎橋1丁目、西心斎橋2丁目、日本橋1丁目(2番、3番及び18番から20番)、日本橋2丁目(5番に限る)、東心斎橋1丁目、東心斎橋2丁目
上記のうち、児童等が入所する児童福祉施設、病院、有床診療所から100M(それらの施設が商業地域に存在する場合は50M)以内に属する場合を除く。

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2016年02月21日

風営法改正によるダンス規制の違い

平成28年6月23日に施行される改正風営法と従来の風営法においてダンス規制はどの様に変わったのでしょうか。

改正前の風営法においてダンス営業は男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れがあるとして風俗営業として規定されていました。
改正後はこの規定は削除されダンス営業が男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのある営業としては規制されなくなり、ダンスをさせる営業は原則として自由になりました。

しかし、深夜に営業を行う場合には従前より存在する深夜に遊興をさせる事を禁ずる規定に抵触します。この深夜客に遊興をさせる事を禁ずる規定は夜間に関し本来睡眠の時間である事や、夜間長時間に渡り盛り上がる事により秩序の乱れが生じる可能性がある等の理由から規制されています。改正前の規定では深夜飲食店(酒類提供の有無を問わず)において客に遊興させる事を禁じており、これを認める規定は一切存在しませんでした。
今回の改正においては深夜飲食店(酒類提供無し)における遊興をさせる行為に対する制限は撤廃され深夜酒類提供飲食店に限り客に遊興をさせる場合のみを規制の対象としました。そしてこの制限は特定遊興飲食店営業として許可を取得する事により除外され深夜酒類を提供しながら客に遊興をさせる事が可能となります。

特定遊興飲食店営業の許可取得には厳しい地域制限があり、繁華街の中心部といった限られた地域においてのみ可能です。それ以外の地域においては従前風俗営業として行っていた営業が、風俗営業の規制を外れ単なる飲食店としてダンスを行う事が可能となります。但し営業可能時間は従前と同様に午前0時までとなります。
繁華街中心部において従前より風俗営業を行っていた営業は、改正後も風俗営業として営業を継続する(低照度飲食店)事も可能ですが営業可能時間は従前と同様に午前1時(繁華街中心部でも午前0時の場所もあり)までとなります。また、特定遊興飲食店営業の許可を取得して営業を行う場合には照度基準が最低5ルクスから10ルクスに引き上げられる事による改修工事等を行った後に許可取得を行い、営業は原則として24時間いつでも可能になります。(条例により営業禁止時間が設定される地域もあり)

今回の法改正のポイントとしては
・ダンスは男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのある営業では無いとされ「風俗営業」ではなくなり、法律が規制する対象ではなくなった。
・深夜飲食店において遊興をさせる行為は酒類の提供を伴わない限り規制の対象外となった。
・深夜飲食店において酒類を提供し遊興をさせる営業は原則として従前通り禁じられているが繁華街中心部等一部地域では特定遊興飲食店営業の許可を取得する事により可能となった。
・従来深夜飲食店において遊興をさせても刑事罰を伴わなかったが、深夜酒類を提供する飲食店において許可を取得せず遊興をさせた場合は無許可営業としての刑事罰が設定された。

なお、今回の法改正においては「遊興」の定義について議論の対象となっていますが、遊興の対象となるダンスは改正前のダンス規制よりも広範囲な物になります。従前のダンス規制は男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのあるダンスが規制の対象であった事により、例えば女性アイドルが盛り上げて客は男性ばかりのホールにおいて客にダンスさせる営業は風俗営業としてのダンスとして取扱われませんでした。しかし、この様な営業においても深夜に行う場合は深夜飲食店営業における客に遊興をさせる事を禁じている規定には抵触し、改正後においても特定遊興飲食店営業の許可を取得しない限り深夜帯に酒類を提供してこの様な営業を行う事はできません。
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2015年12月31日

改正に伴う手続開始まで3カ月をきりました

平成28年6月23日に施行され新たに風営法の対象業種として創設される特定遊興飲食店営業の許可申請が平成28年3月23日より開始されます。
風営法に基づく許可申請の処理期間(申請から許可までの日数)は申請時期等により処理に要する期間が変動し、個別具体的な処理を要するため、標準処理期間を定めることはできないとされており、一概に期間を特定する事はできませんが、処理に要する目安期間は警察庁が作成したモデルを基準に各都道府県により目安期間が設定されており、現在の風俗営業においては各都道府県により45日〜55日として設定されています。(この期間に休日を含むか含まないかの判断も都道府県により異なる)新たに創設される特定遊興飲食店営業の許可申請においては、許可申請の必要書類や審査事項、許可手数料等が風俗営業と同等の為、処理期間も同等になると見込まれます。
今回の法改正に伴う事前手続期間は3カ月間であり、2カ月弱の処理期間であれば3〜4月の間に申請をすれば6月23日の施行日に許可が間に合うと理論上はなるのですが、改正時は多くの申請が警察に対して行われる為、通常時の処理期間では許可に至らない恐れがあります。4月中頃に申請しても理論上は6月23日に間に合うはずが、今回の場合は間に合わない可能性があるといった感じです。
これは警察側が理由なく処理期間を延ばしているのではなく、法律で定められた審査基準を全て確認審査すると共に、新たな許可業種であり更に時間を要する事、更には法改正に合わせて多くの店が同時期に申請を行い通常時では想定しきれない件数を処理する事等から、通常より長い処理期間が必要になると思われます。
3月23日の手続開始直後に申請を行う事、更にその準備を年明け早々には開始する事が6月23日の施行日より営業を開始する為の最善策と思われます。
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2015年12月11日

大阪府風営法改正に基づく条例の議会提出

大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部改正案が12月14日に大阪府議会へ提出される事となりました。

この議案は風営法改正に伴うもので、特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域等が定められます。
提出案の内容通り条例が可決された場合、大阪府において特定遊興飲食店営業は以下の地域のみで営業可能となります。

大阪市北区のうち梅田1丁目(1番から3番及び11番)、角田町(1番及び5番から7番)、神山町(2番から10番)、小松原町、曾根崎1丁目、曾根崎2丁目、曾根崎新地1丁目、太融寺町、兎我野町、堂島1丁目、堂島浜1丁目、堂山町(1番から13番及び16、17番)、西天満6丁目の区域及び大阪市中央区のうち心斎橋筋1丁目、心斎橋筋2丁目、千日前1丁目、千日前2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目(1番から10番)、道頓堀2丁目、難波1丁目、難波2丁目、難波3丁目、難波4丁目、難波千日前(1番から3番及び10番から13番)、西心斎橋1丁目、西心斎橋2丁目、日本橋1丁目(2番、3番及び18番から20番)、日本橋2丁目(5番に限る)、東心斎橋1丁目、東心斎橋2丁目の区域。
但し、児童福祉法第7条第1項に規定する児童福祉施設(児童等が入所するものに限る。)又は医療法第1条の5第1項に規定する病院若しくは同条第2項に規定する診療所の敷地周囲おむね100メ ートル(当該施設が商業地域にある場合は50メ ートル)の区域を除く。

今回の法改正に関する概要は以下を参照ください。
http://fuei-kaisei.com/gai_27_11.html
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2015年11月22日

兵庫県でもパブコメ開始

風営法改正に基づく条例改正に関するパブコメが兵庫県でも11月20日より開始されました。
大阪や京都などは既に終了していますが、兵庫県では12月10日までの受付です。

内容としては他都道府県と大きな差はなく、特定遊興飲食店の営業所設置許容地域は現在の営業延長許容地域(深夜1時まで営業可能な地域・神戸市中央区、神戸市兵庫区、尼崎市、姫路市それぞれの一部地域)とされています。
その他項目も他の都道府県と大きな差はありませんが、朝方の営業制限が午前5時以降の禁止とする地域が多い中で兵庫県では午前6時から午前10時とされています。

パブコメはこちらより
http://www.police.pref.hyogo.lg.jp/pubcom/index.htm
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2015年11月13日

改正風営法の政令等が公布されました

平成27年11月13日、風営法改正に伴う改正政令等が公布されました。
改正法の施行は平成28年6月23日となります。改正に伴う特定遊興飲食店営業の許可申請は平成28年3月23日より行われます。
この後は各都道府県条例が可決される事により、今回の各種規定整備は終了となります。各都道府県条例は年内又は年明けの都道府県議会により可決されます。

公布された内容等、今回の改正内容はこちらをご覧下さい。
http://fuei-kaisei.com/gai_27_11.html
ラベル:法改正 ダンス
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2015年10月28日

法改正で生まれる不公平

今年6月にダンス規制等見直しによる風営法改正が国会で成立しましたが、この改正により不公平が生じる可能性が高くなっています。

現行法ではダンスをさせ飲食をさせる営業は風俗営業の許可を取得して営業する事となっており、許可を受けた店舗の営業時間は原則深夜0時まで、一部地域で例外的に深夜1時までとされています。
今まではこの様に地域等による営業時間の差は1時間でした。

しかし今回の法改正により新たに設けられた「特定遊興飲食店営業」という深夜にダンスを含む遊興をさせ飲食(酒類)させる許可業種は営業が可能なエリアに大きな規制があります。
特定遊興飲食店営業として営業できないエリアにおいてダンスをさせる営業を行う場合、風俗営業等の許可は不要ですが営業は深夜0時までとなります。一方特定遊興飲食店営業に関しては現在条例案が出ている多くの都道府県において午前5時まで可能になる見込みです。
改正法施行後はエリアによって5時間の営業可能時間差が生じます。
特に可能エリアと不可能エリアの境界線付近では大きな問題が生じる恐れがあります。
極端な事例として道路を挟んで向かい合う店舗で片方は朝まで営業、片方は0時までの状態となった場合、お客さんは遅くまで利用できる店に早い時間帯から集中する事が想定されます。こうなればエリア外の店舗にとっては死活問題にも繋がります。

国としては今回の法改正では今まで可能であった営業時間帯(0時以前)までは今まで通り営業が可能であり、改正による損失は無いと考えておられるようですが、この様に店舗間における不公平が生じ、その結果損失を被る店舗が現れる可能性があります。
各地の条例可決まで残る時間も少なくなっていますが、法改正により不利益を被る事が無い様な条例整備がなされる事を願います。
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2015年10月20日

深夜にダンスができるのは一部地域のみ

今回の風営法改正により朝までダンスをさせる営業が可能となりました。
という様な報道等が多くされていますが、全てが完全に自由化されたわけではありません。

ダンスを行う営業は大きく3つに分けられる事になります。
【法改正によるダンス営業の分類】
・一般飲食店営業
深夜(0時〜6時)以外の営業で営業所内の照度が10ルクスを超える営業。

・低照度飲食店営業
原則として深夜(0時〜6時)以外の営業で営業所内の照度が10ルクスを下回る営業。

・特定遊興飲食店営業
営業所内の照度が10ルクス以上で深夜に酒を提供しダンス(遊興)をさせる営業。

基本的にこの3つの形態からお店にとって相応しい営業形態を選択して営業する事になるのですが、全てのお店が営業形態を自由に選択する事はできません。
その制約には様々なものがありますが、一番の問題に地域規制があります。

【業態毎の地域規制】
・一般飲食店営業
規制なし

・低照度飲食店
この営業は風俗営業であり、住宅街等以外で学校や病院から一定距離が離れている必要がある。
(詳細は都道府県条例による)

・特定遊興飲食店営業
大規模繁華街又はベイエリア等の住居が存在しない地域。
(詳細は都道府県条例による)

今一番議論されているのが深夜にダンス営業が可能な「特定遊興飲食店営業」の営業可能地位(営業所設置許容地域)です。
現在都道府県において条例制定に向けたパブコメ等が実施されていますが、多くの条例案において営業所設置許容地域は現在の風俗営業における営業延長許容地域(風俗営業が深夜1時まで可能な地域)と同等です。
(東京都等に関しては現在の営業延長許容地域に一部地域を追加)
現在の条例案の多くがこのまま可決した場合、各都道府県の中でも中心部の中の一部だけが朝までダンスをする事ができる店となります。
大阪府の場合、キタ(堂山、兎我野町、太融寺町、北新地等)、ミナミ(心斎橋、千日前、難波等)の繁華街だけとなり、この近年開発が行われている大阪駅北側や阿倍野天王寺エリア、比較的大規模な繁華街である京橋エリア等も全て対象外となりダンスを朝までする事はできません。
この様な状況にも関わらず、報道等ではダンスが自由化等と誤解を与える表現がなされている部分があるのが残念です。

また、10ルクスを下回る照度で営業を行う低照度飲食店に関して法改正では風俗営業そのものの営業時間延長を条例により可能としており、風営法の理論上は深夜に暗い店でダンスをさせる事が可能になりましたが、実際の条例案において風俗営業の時間延長を1時以降とする案は現在のところどの都道府県からも出ていない様で、この営業時間延長に関する法改正は現段階では実質効力が何ら生じない状態となっています。

今回の法改正〜条例改正における流れではダンス営業に関して実質的に大きな変化が生じたとは言えない状況にもあります。
この理由として1つ考えられる事が、法改正議論が通常では考えられないスピードで進められた事があると思います。特に法改正〜条例改正までの期間が短すぎます。
本来、法律が改正されたのちに下位法令(政令等)のパブコメが行われ下位法令が決定、その後に条例案が作られパブコメが実施、そして条例改正となる必要があるのですが、今回は下位法令のパブコメ期間中に各都道府県条例案のパブコメが多くの都道府県において実施されています。
このスピード感では議論や検証等の時間も不足し、大きな変化を伴う条例案を作る事は難しい部分もあろうかと思います。しかし、法律により法律の施行期限が定められている為、条例は無理やりにでも改正する必要があり、結果としてこの様な条例案になっている部分があると思われます。

この事で大事なことは、今回の法改正及び条例改正が行われたら全てがそれで終わりと捉えず、今回の改正は大急ぎで行ったものである事から改正後再度改めて様々な議論や検証を行い、今回の法改正の趣旨に合わせた各種整備を継続実施する必要があると思います。

なお、各都道府県の条例は現在未だ案の段階ですので、実際の条例制定段階において内容が変更される事はありますので、それまでに少しでも実態等に合う内容とされる事が理想ではあります。
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2015年09月18日

政令案等の概要

現在パブリックコメント中の風営法改正に伴う政令案等は、かなり内容が多く複雑な部分もありますので少しまとめてみました。
また随時この内容は必要に応じ追加修正していきます。
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2015年08月21日

風営法改正によるダンス営業以外への影響(2)

ダンス規制問題による風営法改正案が平成27年6月17日に可決成立しました。
今回の改正はダンス規制の見直しによる部分が中心となっていますが、それ以外の部分においても改正点や影響を受ける部分があります。
ダンス営業以外への影響点を数回に分けてご紹介します。

2回目は「深夜遊興」

改正前の風営法では深夜における飲食店営業に関して、深夜客に遊興させる事を禁じていました。
これは「深夜酒類提供飲食店」等の酒を出す飲食店に限らず深夜に営業する飲食店全てに適用されていた規定です。
ここでいう「遊興」とは
・不特定多数の客に歌、ダンス、ショウ、演芸、映画その他の興行等を見せる行為。
・生バンドの演奏等を客に聞かせる行為。
・のど自慢大会等客の参加する遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為。
・不特定の客に対しカラオケを歌うことを勧奨する行為等。
等が警察庁が出している解釈運用基準にて示されています。
これらは客が自ら遊ぶ事をまでを禁じているのではなく、店側が積極的に遊び興じさせる事を対象としていました。
これに違反した場合は営業停止等に行政処分の対象となります。

今回の風営法改正において深夜飲食店において遊興をさせる事を禁じる規定は削除され、
深夜飲食店において客に遊興させる事は原則として自由化されました。

しかし、これには例外があり、
深夜客に遊興させる店で酒類を提供する場合は「特定遊興飲食店」となり、許可制の営業となります。
また、今回の改正により客にダンスをさせる行為は客に遊興させる行為の一部と解される事となりました。
この規定に反し、酒を提供しながら深夜客に遊興させる営業を無許可で行った場合は、懲役刑や罰金刑等の刑事処分の対象になります。


禁止行為だけで観点で考えれば改正前は、
・「深夜」+「飲食店」+「客に遊興させる」
この3つが重なる行為は一切禁止。

改正により
・「深夜」+「飲食店(酒なし)」+「客に遊興させる」
この場合は完全自由化
・「深夜」+「飲食店(酒あり)」+「客に遊興させる」
この場合は許可制となり、許可取得ができれば規制緩和となり、
許可が取得できない場合は従来通り禁止となります。
この観点で考えると改正前より規制部分が少なくなっている事から規制緩和であると考えられます。

しかし観点を変えれば、従前は違反しても刑事罰無し(行政処分はあり)から改正により違反した場合は刑事罰の適用となり規制強化とも考えられます。
ダンスに関してのみ考えれば改正前は風俗営業であり深夜の営業を行えば違反となっていましたが、改正により特定遊興飲食店となれば営業の自由度は大きくなりました。
ダンスに関係ない営業にとっても酒が無ければ深夜帯の自由化に繋がり、酒の提供があった場合でも許可制で営業が可能となり規制緩和と捉える事ができますが、罰則の観点で見れば刑事処分なしから刑事処分ありへの変更であり大幅な規制強化であるとも考えられます。


他にもダンス営業以外で法改正の影響を受ける部分はありますので、今後も引続きこのブログでご紹介します。


1回目の「営業時間」
http://fu-ei-hatena.seesaa.net/article/420919457.html

ラベル:遊興 規制緩和
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2015年07月24日

何故風営法改正で遊興が問題となっているか

今回の風営法改正により遊興という言葉が大きな問題となっています。今回の改正では設備を設け深夜にお酒を提供するお店で客に遊興をさせる場合は特定遊興飲食店営業として許可が必要とされました。許可制である事から無許可である場合には懲役や罰金等の刑罰を受ける事になります。
そもそも風営法では深夜飲食店(酒提供の有無を問わない)において客に遊興をさせる事は禁じられていました。ただ改正前の法律では刑事罰はありませんでした。今回の改正においては例外なく禁止であった深夜に遊興させる行為に関して酒類提供が無い場合は規制の撤廃、酒類提供のある場合には許可制での解禁として従前からの規制緩和であるいうのが国の見解です。
しかし、刑事罰の無かったものに対して刑事罰規定を設ける事は規制強化であるとの反論意見が多く出ている現状があります。その意見の中には今までやっていた営業ができなくなるとの声があります。ただ理論上では今までそもそも禁止されていた事なので新たに営業ができなくなるものが生じる事はあり得ないと考えられます。できなくなる事があると主張する事は罰則の有無を問わず現在違法状態があると主張してるとも受け取れます。
改正できなくなると主張されている事の例としてはフジロック等のフェスがあります。これをできなくなると考えるとフジロックは現状において多くの人が集まる違法イベントとなります。そもそも法に問題があろうとも大型イベントが違法状態である事は大問題です。他にもこの様な問題は各所において生じています。
ただこの問題はできなくなる事が理論上増えたのではない事から今回の法改正が原因ではありません。そもそも改正前の法律段階で遊興の定義における曖昧さや、その規制主旨が問題です。
元々深夜に飲食店で遊興を禁じている理由は本来人は深夜寝るものであるとの考え方から深夜静かに眠りたい人の邪魔をしてはならない等の主旨があります。そうであるならば寝ている人の邪魔とならない様な野外フェス等は規制の対象でないと考えるべきとなります。しかし現在警察庁が示している解釈においてはショーや生バンド等の演奏を聞かせる行為は遊興にあたるとされており、かなり幅がひろくなっています。なお、ここでいう解釈とは警察庁がだしている解釈運用基準であり、法律そのものではありません。この問題を解決するには解釈をより法の主旨に則り具体的に示す事が一番と思います。

この深夜遊興禁止規定は改正前あるにも関わらず何故今問題となっているのでしょうか。
深夜に遊興させる事を禁じている事は改正前から存在するわけであり、改正によりできなくなる営業は本来生じないはずです。しかし今問題となっている事には複数の原因があると考えられます。
先ずは今までこの規定の存在が広く理解されていなかった事です。従前から深夜遊興禁止規定が広く知られていたら、もっと前から深夜遊興禁止に関する議論がされていた可能性もありますし、元々これに該当する営業は行われていなかったと思われます。しかし今回法改正においてクローズアップされた事で、この規定に関して疑問を持つ人が増えた事により今となってこの問題が議論される結果になっています。
次に考えられる事として、深夜遊興禁止に関して深堀をし過ぎている事が考えられます。今まで深夜遊興禁止に関してはあまり深堀をした議論はなされていません。またこの規定違反で大きな事件は起きていません。深夜に飲食店で大騒ぎしており近所から苦情通報があった場合等には警察官がこの規定を利用して指導を行う等が主な運用であり実害が無ければ取り沙汰される事もあまりありませんでした。(深夜酒類提供飲食店営業の届出時に指導されるケースはあります)しかし今回の法改正時には営業者等が深夜遊興の具体的ケーキを沢山持ち出して議論を進めていくと、その多くが遊興に該当する恐れがあるとなっていき問題が広まっています。また、本来の定義なら該当しないものまでもが、該当すると広まり実際の規制よりも厳しい内容で世間に広まり問題が大きくなっている部分もあります。
最後に最大の問題は、ダンス規制改革において短期間でダンス規定だけを単純に取り除いた事が考えられます。元々風営法の構造は、飲食、接待、ダンス、遊興、遊戯等を様々な形で組合わせて構成されており、それらは脱法的行為を行う者にとって抜道を潜らせない状態となっています。そんな中で風営法からダンスという文言だけを取り除くという改正を行った為に今まで複雑に絡みながらもバランスが維持できていた構造が崩れる結果になりました。これにより脱法的行為の抜け穴も生じますが、過剰な規制が生じる事にも繋がります。
今回の法改正議論においては関係当事者からの意見聴取を実施したとの見解がありますが、基本的にはダンスに関係する者に限定されています。しかしダンスというのは風営法構造の中で一つの要素に過ぎず、そこにメスを入れるならば構造全体の見直しや検証が必要となります。勿論全体を見直すならばパチンコ等の遊戯業へも影響は必須ですが、そこを触れる事により改正議論への進展に影響を及ぼす恐れがあるとして、部分的な改正に止めたという説もあります。
もし全体を見直すならばダンス以外の関係当事者らにも意見聴取を行ったりする必要があるはずです。しかし、短期間でダンス規制問題を解決する事が優先され半ば強引にダンス部分だけの改正となりました。その結果、ダンスは遊興に定義され、さらには深夜のダンスは許可が必要との考えから、深夜遊興全てが許可制へと繋がりました。また、ダンス以外の部分においても若干の改正が行われていますが、ダンスに関係ない事業者からの意見聴取や周知は未だ全く実行されていない問題もあります。
今回の法改正は通常よりも極端に短い検討期間で実施されており、その結果当然の事ながら不具合が生じていると考える事ができます。

今回の遊興問題を含め風営法規制のあり方を整備するには、風営法全体構造からしっかり議論しなおす必要があると思われますので、今回の法改正が最終形とせず、この先もしっかり議論される環境が必要と考えます。
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2015年06月24日

改正風営法の一部施行

平成27年6月24日付けにて
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正が施行されました。
またこれに伴い、同法施行令及び施行規則、同法解釈運用基準も同日付けで改正施行されました。

今回の改正内容は風営法第2条第1項第4号の規定を削除し、これにより飲食を伴わないダンス営業(ダンスホールやダンス教室)は風営法の提要から除外される事となりました。
従前は指定機関の講習を受けた講師を配置するダンス教室等に限って風俗営業許可の取得が不要とされていましたが、同日より飲食を伴わない全てのダンス営業は風俗営業許可が不要となりました。

飲食を伴うダンス営業等に関わる部分の改正は同日より1年以内に施行されます。
ラベル:ダンス 削除
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2015年06月19日

風営法改正によるダンス営業以外への影響(1)

ダンス規制問題による風営法改正案が平成27年6月17日に可決成立しました。
今回の改正はダンス規制の見直しによる部分が中心となっていますが、それ以外の部分においても改正点や影響を受ける部分があります。
ダンス営業以外への影響点を数回に分けてご紹介します。

1回目は「営業時間」

現在、風俗営業は原則として深夜0時から日の出までの間において営業を行う事ができません。
一部条例で認める場合においては深夜1時から日の出までの間が営業禁止時間となります。
この規定は風営法により定められており、祭事等の特殊事情が無い限り深夜1時から日の出までの間は条例を改正しても営業を行う事ができませんでした。
しかし、今回の改正により条例で営業禁止時間を深夜1時以降にする事が可能となります。
これは下記の「風俗営業」と称される営業全てに適用されます。
・第2条第1項第1号 キャバクラ、キャバレー等
・第2条第1項第2号 低照度飲食店
・第2条第1項第3号 区画飲食店
・第2条第1項第4号 ぱちんこ、麻雀等
・第2条第1項第5号 ゲームセンター
(性風俗等に関しては風営法では「風俗営業」ではなく「性風俗特殊営業」として別の定義がなされている為、深夜営業は条例で自由に認める事は引続きできません。)

条例により時間延長が認められた場合には深夜までキャバクラ等が営業を行う事となります。
現在の風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)では全国統一的に営業時間の規制を行っていましたが、今回の改正により条例で地域の実情に応じた時間規制へと変わります。
なお、現在の風営法の前身である風俗営業等取締法時代は、営業時間規制は法律ではなく各都道府県の条例で定められていました。今回の改正で営業時間規制は30年前の考え方に戻ったという意見もでています。


営業時間の部分で「深夜」の定義において「日の出」という文言が見直されました。
これまで深夜営業が認められていなかった風俗営業や店舗型性風俗特殊営業の原則的な営業開始可能時間は「日の出」でした。
これが今回の改正により「午前6時」に改正されました。
今まで朝から営業を開始するホストクラブや性風俗店等では「日の出営業」として日の出時刻に店をOPENさせている所が多く存在しました。
日の出時間は夏と冬では大きく異なります。夏場は午前6時より早いですが、冬場はそれよりも遅い時間です。
今回の改正により夏場は「規制強化」冬場は「規制緩和」になると考える事もできます。


これら営業時間の他にもダンス営業以外で法改正の影響を受ける部分はありますので、今後も引続きこのブログでご紹介します。
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2015年06月18日

風営法改正の概要

平成27年6月17日可決成立の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)の概要

・風俗営業の定義に関して
現在の風俗営業の定義
第2条第1項第1号 キャバレー等
第2条第1項第2号 キャバクラ等
第2条第1項第3号 ダンスクラブ等
第2条第1項第4号 ダンスホール等
第2条第1項第5号 低照度飲食店
第2条第1項第6号 区画飲食店
第2条第1項第7号 ぱちんこ、麻雀等
第2条第1項第8号 ゲームセンター

改正案の風俗営業の定義
第2条第1項第1号 キャバクラ、キャバレー等
第2条第1項第2号 低照度飲食店
第2条第1項第3号 区画飲食店
第2条第1項第4号 ぱちんこ、麻雀等
第2条第1項第5号 ゲームセンター
*これによりダンス文言を用いた風営法の業態規制は撤廃となります。

・特定遊興飲食店営業の定義
第2条第11項(現在は接待業務受託営業であるが、これは13項へ移動。)に新たな業態として「特定遊興飲食店営業」を定義。
第2条第12項には許可又は承認を受けて特定遊興飲食店営業を営む者を「特定遊興飲食店営業者」と新たに定義。
第32条第1項第2号(深夜遊興禁止規定)を削除。
11項の新たな定義は「ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る。)で、午前六時後翌日の午前零時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)をいう。」
*これにより今までは禁止されていた深夜に客に遊興させる営業が可能(酒を提供する場合は許可性)となりました。

・営業時間の制限及び深夜の定義に関して
第13条第1項に規定する風俗営業の原則的禁止時間が(午前零時〜日の出)から(午前零時〜午前六時)へと改定、この禁止時間を「深夜」と定義。
また、現行法にて午前一時までと規制されている祭事等日以外での条例による時間延長可能時間制限が撤廃。
第13条第3項及び4項が新設され、深夜における風俗営業に関し周辺への迷惑等防止措置義務、苦情処理に関する帳簿備付義務等が追加。
*第28条第4項の一部改正等も行われ風俗営業に限らず店舗型性風俗特殊営業等に関しても深夜の定義が変更される事となりました。
*都道府県により定める条例により深夜における風俗営業を行える可能性が生じました。但し、営業者に対しては迷惑防止策や帳簿備付等の新たな義務が生じました。

・特定遊興飲食店営業に関する規制等に関して
第31条の22が新設され特定遊興飲食店営業を営む者は公安委員会の許可を受けなければならないと規定。
第31条の23が新設され特定遊興飲食店に関する許可基準及び規制基準等の準用規定が整備。
*特定遊興飲食店に関しては大部分を第31条の23において風俗営業の規定を準用する事から、特定遊興飲食店営業の許可運用や規制等は特定遊興飲食店営業独自のもの以外、大きな部分は同じとなりました。

・風俗環境保全協議会の設置
第38条の4が新設され、公安委員会は条例で定める地域においては警察署長、風俗営業及び特定遊興飲食店の管理者、酒類提供飲食店を営む者、少年指導員、地域住民等により構成される風俗環境保全協議会を設置するよう努めなければならない。
*地域と行政と事業者が集まる協議会の設置となり、地域における風俗環境の保全等に関する協議等を行う機関に関する規定が新設されます。

・事業者団体に関して
第44条の規定が改定され、特定遊興飲食店営業者による特定遊興飲食店営業の健全化を目的として組織する団体をこの規定に追加。
第44条第2項が新設され、第1項の規定に基づき届出を行った団体に対して国家公安委員会及び公安委員会は必要な助言や指導等を行う事が努力義務として規定。
*現在存在する現行法3号等の事業者団体は引続き特定遊興飲食店営業者の団体として存続する事が可能になる他、公安委員会は団体に対して指導等を行う事が明文化された事により、事業者の団体等による業界健全化に向けた自主的取組を加速される事が狙いの規定です。

・その他改正
その他ダンス規定を削除する等にあたり整合性を図る為に必要な部分が多数改正となります。

・他法令の改正
風営法改正に伴い、法律間の整合性を保つ為、旅館業法、建築基準法、酒税法、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の一部を改正。

これらの内容は法律公布日から1年以内に施行されます。但し、現4号営業の削除は公布の日に施行されます。改正に伴う特定遊興飲食店営業の許可申請等は公布から9か月以内に開始されます。
特定遊興飲食店に関する面積規定や照度の測定方法等は法案成立後に公安委員会規則等にて、地域規制や営業時間(風俗営業の深夜営業を含む)に関しては公安委員会規則等決定後に都道府県条例等にて決定されます。
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2015年06月17日

ダンス規制等に関する風営法が改正されました

平成27年6月17日開催の参議院本会議にて風営法改正案が可決成立しました。
今後1年以内に施行されます。
施行までの間に
・地域規制
・面積規制
・照度計測方法
・諸手続
等が政令等により決定される予定です。

1年後の施行までは現行法が適用されますので、現行法に基づいた営業等が必要となります。

今までの経緯や概要は
http://fuei-kaisei.com/
にまとめています。

改正に関するニュース記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150617-00000045-jij-pol
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月22日

風営法における深夜遊興に関して

今ダンス規制に関する風営法改正が議論されている中で、現在風俗営業として規定されているダンス関連営業を削除し新たに特定遊興飲食店営業が定義されようとしています。また現行風営法において深夜飲食店では客に遊興をさせる事が禁止されていますが、この規定は削除される改正案となっています。
これらで用いられる「遊興」という言葉に関して改正後はどの様に解釈するかが、今回の法改正議論における山場の一つになっています。

改正後に遊興がどの様に解釈されるかの問題はありますが、現行風営法において禁じられている「客に遊興をさせる」とはどの様な内容として現行の解釈がされているかを先ず振り返りたいと思います。
・不特定多数の客に歌、ダンス、ショウ、演芸、映画その他の興行等を見せる行為。
・生バンドの演奏等を客に聞かせる行為。
・のど自慢大会等客の参加する遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為。
・不特定の客に対しカラオケを歌うことを勧奨する行為等。
現在この様な内容が例示されていますが、更に検討してみます。

「客に遊興をさせるに該当する」
・ダーツバーでハウストーナメントを開催
・ディーラーを配置してルーレットやトランプゲームをさせる
「客に遊興をされるに該当しない」
・ダーツバーで客が自らマシンに料金を入れてダーツをする
・カラオケボックスで客がリモコンを操作しカラオケを歌う
・スポーツバーでスポーツ中継のテレビを客に見せる
*なお、この解釈は具体的事案により異なる場合があります。
*ダーツやルーレットに関しては風俗営業許可(ゲームセンター営業)との問題は別途生じます。 http://fu-ei.info/10p.html

ここの判断基準は「遊興」と「遊興をさせる」の違いがポイントになります。現行風営法では単なる飲食行為以外(風俗営業に該当する行為は除く)は全て遊興行為と解釈しています。しかし風営法では「遊興」を禁じているのではなく、「遊興をさせる」を規制の対象としています。「ダンス」を禁じているのではなく「ダンスをさせる」を規制の対象にしている事と似ています。
ここでいう「させる」とは主に人がさせる事と解されています。客が自ら機械等を操作する場合は該当しないが店員が客を直接遊ばせる場合はこれに該当するといった考え方です。

そして今議論されている改正案においての特定遊興飲食店営業では、「設備を設け客に遊興させる」が対象とされています。
これは単なる「遊興」を対象としているのではなく、「遊興をさせる」と「設備を設けて」の両方が揃った状態を対象としています。
今回の改正案では深夜飲食店において「客に遊興をさせる」が禁止事項から外れる事により、設備等を必要としないゲーム大会等は深夜において何等の規制対象にも該当しなくなります。

「遊興」
「遊興をさせる」
「設備を設けて遊興をさせる」
この3つは遊興という言葉で共通していますが、議論の中ではこの3つの意味の違いを認識しておく必要があります。
ダンス問題においても「ダンス」と「ダンスをさせる」と「設備を設けてダンスをさせる」が混同し、例えばステージ等のスペースが一切存在しない沖縄料理店で客が踊り出す事も風俗営業として規制されているや、ダンスそのものが規制されているといった誤った認識が広まりました。

この先、改正議論が続く中で、皆が正しい認識を持って議論する事が重要となります。
ラベル:遊興 深夜 ゲーム
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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