2016年06月11日

ダンス規制裁判無罪確定

2016年6月7日に2012年4月に大阪市北区で風営法違反(無許可営業)による摘発を受けた事件の上告が棄却され無罪判決が確定する事になりました。
この事件の判決は、対象となった店舗の営業が風営法の規制対象外とされました。但し、ダンス規制そのものの存在を否定する内容ではありませんでした。
今回の判決確定を受けて思う事として、実際この店に許可が必要か否かに関して現在となっては裁判や多くの人の議論の中から答えが導かれましたが、通常お店を始める前に年々もかかって裁判をする事はありません。今回生じた事実として警察等はこの店は風営法規制の対象と認識した一方で、店側は風営法規制の対象外と認識しており、1つの法律で1つのお店の事に関して2つの認識が生じました。この事はどちらが正しいか否かは別として2つの答えが導かれる状態に問題があると思われます。
風営法の規制はケースバイケースで一律判断し難い部分があります。(その理由等はこのブログの過去記事を参照ください)しかし答えを出す事に4年も裁判をしないといけない事では様々な問題が生じます。ダンスの営業に限らず様々なビジネスを行うに際しては各種許認可が必要になりますが、ビジネスを行おうとする当事者自身が許可の要不要を判断できない、また行政の指導も絶対的な内容ではないとすれば、どんなビジネスを行うにも問題が生じる恐れがあります。
今回6月23日に施行される改正風営法は、改正を急ぐあまり不明確な部分や矛盾点等が残る恐れがある状態でのスタートになる部分があると思われます。今回の判決確定や法改正でこの問題が全て解決したのではなく、更なる議論を今後も続け誰の観点からでも容易に判断でき、矛盾の生じない運用ができるルール作りを更に行っていく必要があります。
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2015年01月22日

ダンス裁判は二審も無罪

1月21日、大阪高裁にて大阪市北区での風営法違反事件に関し、大阪地裁に引続き無罪の判決を下しました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150121-00000111-mai-soci

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150121-00000095-jij-soci

判決では男女が接触する様なダンスが法の規制対象であり、同店ではこの様な事実がなく風俗営業許可の必要な営業ではなかったとしました。
地裁に引続き今回の判決においてもダンス規制そのものは有効であるが、風営法規制対象となるダンスの態様は限定されており、同店はこの対象外であるとの考え方です。
この事は今後の法改正議論に対して様々な影響があると思われます。
もし、ダンスの種類が極限まで男女間のペアダンスに限定された場所は現行法でもクラブが風営法の規制対象外になる可能性もあります。昨年閣議決定した内容で法改正をしてしまえば、ダンスの態様に関係なく新たな規制の対象とされ営業に際して立地や構造の規制を受ける事になり、それであれば法改正そのものの必要性も検討される可能性もあります。
しかし逆にペアダンスに限定された場合は社交ダンス等は引続き規制対象とされてしまいます。このままでは高級ホテルでの社交ダンスパーティー等は引続き行えない状態となり、国際化に向けた流れに影響を与える恐れも生じます。
もし今回の判決が上告される事なく確定した場合、ダンス規制に関する法改正議論は新たなステージに向う事になるでしょう。

※現段階では判決は確定しておらず、法改正等も行われていない状況です。お店に関して現段階では従前からの行政指導等に従い営業を行う必要があります。
ラベル:ダンス 無罪
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2014年06月08日

ダンス規制に関する風営法改正議論の課題点

先日の報道発表によりますとダンス議連は今国会での改正法案提出を見送り26年秋の臨時国会へ法改正の審議を持越す事となりました。
また、警察庁等は現在ダンス議連側で考えている法案に対し、問題点があるとして閣法(官僚主導で法案を策定し、内閣による法案提出)での法改正を模索しているようです。

現在の法改正案はダンス議連が中心となって考案されてきました。内容としてはダンス営業を現在の風俗営業から外して風営法に別カテゴリを設け、そこで許可制(深夜営業がなければ届出制)とする。許可の基準等は面積要件、場所的要件以外は概ね現状と同等。営業規制に関しては現行の深夜0時から日の出までの営業禁止時間を午前6時から午前9時までを営業禁止時間として実質的に深夜営業を可能にするほか、深夜帯以外の年少者立入規制を撤廃、泥酔者等への酒提供を禁止等を新たに盛り込むといった内容です。
大きなポイントは
・風営法内にダンス規制は残るが「風俗営業」のカテゴリからは外れる
・深夜営業が可能になる
・面積要件や場所的要件の緩和で出店しやすくなる
・年少者の立入を時間を限定して認める
といった感じになります。

この風営法改正議論は「ダンス規制撤廃」というところからスタートしたのですが、改正案から見ると営業こそはしやすくなりますが、結果として風営法の規制を受ける店の数が増える事になり、ある意味規制が強化されるとの見解もあります。
この法案が可決となればダンス規制は結果として今後も存続となります。
ただ、ダンス営業が深夜も含めて行いやすくなるので、現実論的にはこれで良しと考える人も多いのは事実です。
しかし、この法案で本当にダンス営業がやりやすくなるのでしょうか?色々な問題点は解決するのでしょうか?
私個人としてはダンス規制法改正に関して賛成や反対を唱える立場ではありませんが、今回様々な形で問題や議論が巻き起こったこのダンス規制問題で法改正を行うならば、今まで起こってきた問題を少しでも解決する必要があると思います。少なくとも法改正により新たな問題を生じる事だけは無いようにする事は必須と考えます。
この法案で問題として残りそうな内容を少し検討してみたいと思います。
(*実際にはここに記している以外にも多数存在します)

・ホテル等でのダンスイベントに関して
現行の風営法下で何度も問題となっていますが、ホテル等で短期間のダンスイベントを行おうとして開催直前に警察から指導が入りイベント開催が中止された等の事案が過去のありました。他にも一流ホテルにてダンスパーティーを行う企画を考えたものの断念した等の事例もあります。特に外資系のホテルではダンスパーティーを系列の他国にあるホテルで実施している関係で日本国内でも実施したいと考えるケースは多いのですが現状の風営法では実現不可能です。
風営法ではホテル等でダンスイベントを行う事を禁じてはいませんが風俗営業許可が必要となります。一見ダンスイベントの際にだけ許可を取得すれば済みそうな話ですが、風俗営業許可を取得するには事前にその営業を行う構造(テーブルやスピーカーの配置も含めて)を造り、その形が基準に適合するかなどの検査が実施されます。もし今の法制度においてホテルでイベントを実施するならば1日だけのイベントの為に長い期間ホテルの宴会場等をその1日のイベントの為に占用する必要が生じ現実的ではありません。
現状、法改正議論の中でどの様なダンス営業が規制対象であるかが細かく議論されていませんのでホテル等でのイベントを許可や届出の対象外とする事は難しいかと思われますが、この様なダンスイベントを行う可能性があるホテル等に関しては別途非常設ダンス飲食店等と定義して、事前に許可を受けておき、そのイベントが実施される1週間程度前までにイベントの詳細を書面で届ける事により営業が可能になるみたいな規定があればと思います。さらに通常のダンス飲食店が構造変更等の変更届出義務違反を逃れる目的で非常設と偽る恐れがあるので、非常設ダンス飲食店は月に最大で10日までの営業とするみたいな規定があれば脱法行為の抑制は可能かと思います。
当然この事は現行法で実現できない事なので、今より規制が厳しくなる話ではありませんが、もし改正が実施されるならば検討してもいい事柄かと思います。
・セカンドフロア等にダンスホールが必要な問題
現在の風営法ではダンス営業店に関して1つの客室は最低66u以上の床面積が必要とされています。そしてその客室床面積の5分の1以上をダンススペースにする必要があります。この規定は狭小な店舗でダンス営業を行った際に、怪しい行為が行われる恐れがあるとして存在する規定です。この規定により規模の小さなお店は許可を取る事が現在できません。今回の法改正案では現行の66uから9.5uに大幅緩和の内容になっています。
これで66uに満たない小さなお店であっても許可を取得する事は可能なのですが、5分の1以上のダンススペース確保等の具体的な改正案は示されていません。この5分の1規定はお店のフロアが1つであればある程度現実的な規定なのですが、1つのお店で別のフロアがあったりする際に、その別フロアにおいてもダンスホールが必要との規定です。通常クラブ等ではメインフロアにDJブースやダンスフロアがあり、それ以外のフロアではソファー席等が設けられています。しかし現行の規定ではこれらフロアにもダンススペースが存在するのです。よくその様なフロアの床にはラインが引いてあるケースがありますが、これが許可上ダンススペースを表している線なのです。許可を取得している事業者等からは66uと5分の1規制に関して、メインフロアは現行法規定でも支障ないが2つ目以降のフロアにおいては5分の1規定の意味が無い為撤廃してほしい等の声があります。
2つめ以降のフロアに関する面積規定は現状形式的には何とかやっていますが、実質的にはかなり余分なコストが発生しているだけの状態となっています。実態が伴っておらず法と現実が乖離している現状がある為、ここの改正するならば考慮して頂きたいところであります。
・新たな規制時間の誕生
今回の改正案では許可を受ければ午前9時から翌朝6時までの営業が可能となるようです。これにより実質的に深夜営業が可能となり、この法改正案の中で実質的目玉商品と言える部分です。しかし1つ問題が残ります。それは現在の法律が日の出から営業を認めている中で、風俗営業許可を取得して朝方に営業しているお店が存在します。今回の法改正は規制緩和の方向で進んでいますが、朝方に営業していたお店にとっては今回の法改正が今までできた営業が禁止される事となり新たな規制強化となります。今回の法改正問題では広く色々な方人から意見を聴取して進めているとの事ですが、少数派でしょうがこの様なお店の意見は聞かれたのか、さらに今まで行っていた方に対する何らかの措置は施されるのかが気になります。
・構造基準や建築基準法等の関係で増える無許可、無届営業
この法改正案が可決されれば現状許可を取得していないダンスに関するお店が許可や届出をしやすくなる事から、その許可取得や届出を行う事になると予想されます。また、許可基準が緩和される事から今まで正直お目溢しされていた様な小さなお店でも許可や届出を確実に実施しないと指導や摘発の対象になると思われます。これによる対象の店舗数はかなり多いと思われます。
一見、基準が緩和される事により許可がどんなお店でも取得できる(人的な問題があれば当然ダメですが)様に感じますので、どのお店も確実に手続さえすれば問題ないと思われます。しかし、今回の改正案では66uの部分と場所規制の緩和を除いては現行の3号営業の基準に準ずるとされています。風営法の許可基準にはかなり細かな部分が多く、許可を取得するには(届出も同様)様々な障害が発生すると思われます。それを改善すべく改修工事等を殆どのお店が実施しなければ許可取得は困難です。現に今の法律で許可を受けているお店等でも許可検査に際して多くの改修費用等を費やしている状態です。
この改修費用に関して場合によっては多額になる事も容易に想定でき、費用を捻出できないお店などが無許可で営業をしてしまう事が想定されます。これは現状の風営法下においてダンス許可以外の業態(深夜酒類営業やその他の許可営業)等では現実に起きている問題です。
さらに許可や届出を行う事により、そのお店は建築基準法上ではダンスホール等という扱いになります。それまで飲食店としてやっていた場合には建築基準法上の用途は「店舗」なのですが、「ダンスホール」等となればその許可や届出を行うに際して建築基準法に基づく建物の用途変更申請等を行う必要(その建物に存在するこれらの店舗総面積が100uに満たない場合は除く)があります。現在の改正案では場所規制緩和の観点から「ダンスホール等」に関して建築基準法上の場所制限を改正する様促していますが、そもそもの建築基準法上でのカテゴリを見直していかなければ現実とのギャップが大きい結果になると思われます。
用途変更申請を行うには一級建築士さん等に入って頂き、建物のその部分に限らず建物全体としての話になります。ここでもかなりの時間とお金を要する事になります。また、現状クラブ等が入っている建物は決して新しいビルが多いとは言える状態ではありません。古いビルですと建物そのものが違法増改築を行っていたり、建物の竣工検査を受けていない建物も以前は多く、その建物で今から用途変更申請を行うというのはかなり困難になってきます。今後はダンス飲食店として風俗営業から外れる事により、新しくて各種手続も行い易いビルに出店する事ができ易くなると可能性もありますが、現状の店舗がどうにもならない事が想定されます。
当然、風営法に基づく許可の取得は風営法に基準がクリアしていれば不許可にする事は法律上できませんが、新たな建築基準法違反事件として取り扱われたり、建築さらには消防当局からの指導等が行われる事になります。いくら風営法が改正されて風営法違反でなくなったとしても、建築基準法等別の法律に違反した状態で営業を継続させる事は問題があると感じます。
お店によっては建築基準法等がクリアできない事から、風営法のダンス飲食店に関する許可申請を断念するケース等も十分に考えられます。こうなってしまえば、折角風営法改正を行い、法律と現実の溝を埋めるどころか逆に違反店舗を増やしてしまう事が予測されます。

そして一番このダンス規制問題で本来議論されるべきであった、そもそも風営法規制の対象となるダンス営業とは何かの部分は現状の法改正案では全く触れられていません。
今行われているダンス営業店の風営法無許可事件の裁判ではこの部分が大きな問題にもなっています。
そもそも風営法ではダンス営業全てを規制の対象としているわけではありません。男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのあるダンス営業のみを対象としていますが、具体的にどのダンス営業が対象となるのか広く一般の人には理解できる内容ではありません。しかも司法の場でも地裁判決ではある程度の基準が示されたものの、検察側が控訴する形となり現状は未だダンス規制の対象が広く一般に理解できない状態になっています。
本来法律でダンス営業を規制した経緯としては、対象となるはずの営業は様々な問題を生ずる恐れがある営業であり、営業時間や場所を規制されても仕方のない営業です。しかし今回一番の問題は、どの営業が規制されるかが明確でない中で、もしかすれば規制される必要のない営業までもが規制の対象となっている恐れがあるかもしれない部分です。逆にこの部分さえ明確にすれば規制されるべき営業形態は徹底的に規制し、そうでない営業は完全に撤廃するのが本来の姿とも言えます。
ただ、ここを明確にしろと声を挙げることは簡単なのですが、これを明確にする文言を作るのはかなり難しい様です。そもそもダンス規制が風営法に入った際も規制したい営業をどの様に表現し何を基準に規制するかは苦労された経緯もあると言われています。その中で考え出された括りが「ダンス」なのです。
私はこのダンス規制問題に関して最初の頃からよく言っている事として「ダンスに代わる新たなワードを探してくれる学者さんがいればこの問題は解決する」があります。そうすれば細かい規制内容の部分などを議論したりする必要もなかったと思います。本当は徹底してこの問題を解決すべきなんでしょうが、結論を急ぐ必要があったり、その他色々な事情からこの部分が現状取扱われていないのでしょう。

今回のダンス規制撤廃運動に関してさらに大きな問題点として、現在許可を受けている実事業者の関与率が低く、音楽家、法律家等が中心になっている点にもあります。以前からこの問題は指摘されている中で事業者団体が立ち上り、公の場で実事業者がこの問題に関与する形となりました。
この実事業者は既に許可を受けて営業する事を経験しており、今回の様な改正案が実施されても新たな制度下で許可が簡単に取得できない問題点やその他色々と疑問点を感じています。法律の枠組みは法律家、政治家、官僚等が一番詳しいわけですが、こんな事を言えば色々と非難を浴びるかもしれませんが彼らは実際に現場での運用経験等はなく現場で生ずる問題はあまり見えていない部分があるでしょう。
また実事業者の中からはダンス規制撤廃に反対する意見なども出されている事から、ダンス規制撤廃を唱える者の中からは実事業者を敬遠する人も一部いるとの話もあります。また実事業者はダンス規制撤廃運動に遠慮して真意を述べれていないといった方もおられる様で、結局一番の当事者であるべき実事業者の実質的参画が行えていないといった現状も見受けられます。
そしてこのダンス規制問題に関しては規制撤廃を唱える音楽家や法律家等、規制を維持しようとする警察庁側等の対立構造の中で事が進んでいます。これも大きな問題であり物事は対立構造の中で産出すよりも双方が向き合って協議して、今より更に良い物を作り上げる活動が一番重要になると思います。今は双方が議員に対して自らの主張を説明し賛同者を増やす手法が繰り広げられていますが、双方を調整する役目の人材が現れて双方の調整を行い、なかなか難しいですが双方が前向きに同じテーブルで同じ目標に向かって進む意思を固めた時にこの問題は初めて解決するかもしれませんね。

これは私の理想論ですが、この問題に関して今後も様々な場面で議論が繰り返されます。様々な立場の人が、特に肩書きの有る偉い人に限らず現場で実際に目の当りにしている人等が参画し、最終的には多くの人が納得できる方向でこの問題の解決がされればと願います。
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2014年02月24日

麻布十番のクラブが無許可で摘発

警視庁生活安全特別捜査隊等により2月23日に東京都港区麻布十番のクラブが風営法違反(無許可営業)で摘発され店長らが逮捕されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140224-00000069-jij-soci

今、風営法とダンスの問題が色々と議論されていますが、現行の法律ではこの様な営業を行う場合は風俗営業許可が必要とされていますので、無許可で営業を行うと摘発の対象となります。
ラベル:無許可
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2014年02月07日

湘南クラブイベント規制から見る風営法のダンス規制問題

神奈川県鎌倉市の湘南海岸では大音量の音楽で踊るクラブ系イベント禁止等の条例制定に向けた方針が発表されたようです。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/leisure/?id=6106359

この件で、風営法ダンス規制問題と同様に何故クラブイベントを規制するのだ?、表現の自由や営業の自由の侵害だ等との意見も出ている様です。確かにこれらのイベント等を楽しみにしていた人や、この営業で収益を確保していた人は多くいると思います。
しかし逆に、自然の音が聞こえる昔ながらのビーチや風紀の乱れがないビーチを求める人としてはその環境を取戻したい等の意見もあり、実際に今回の様な規制案が策定された経緯があります。
私個人の意見として、双方主張したい権利が存在するからにはどちらも正しいと思います。

この問題、風営法のダンス規制問題に関しても同様の事が起きています。
今、風営法でダンス規制がされている事が表現の自由に対する侵害等として規制撤廃を求める運動がなされています。しかし、この問題も同様で静かな住環境を求める人等これと反対の主張を行い人が存在します。
この風営法ダンス規制問題に関しても、当然の事ですがどちらの主張も正しいと思います。
もし国民全員が規制撤廃と考えているならば、既に法律は変わっているはずです・・・

このダンス規制問題で私個人として今一番懸念する問題として、自らの主張と反対の主張の者に対しての理解等を多くの人が行えていない現実があると思います。時には逆の主張を行う者に対して批判的な意見を行う人がいる現状もあります。
当然、双方逆の主張をするわけで、意見が対立しているので相手に対して厳しい意見になる事は仕方ないのかもしれませんが、もう少し自らと反対の意見を主張する者の意見に耳を傾ける努力が双方に必要ではないかと感じています。双方、何らかの思い等があって意見を述べているわけですから、真っ向否定するのは少し問題があるとも思います。何故なら誰一人間違った主張をしている人はいないからです。それぞれが、それぞれの立場や思いで正しい主張をしているからです。
世の中全てそうだと思いますが、色々な意見を主張する人がいます。その中で自らの考えと大きく異なる意見を主張する人は当然います。しかし、それを真っ向から否定するのではなく相手の主張に耳を傾ける事がもしかしたら自らの主張を実現するための早道かもしれません。何故なら、相手の主張には相手なりの思いや事情が含まれているはずです。それを理解したうえで自らの主張を実現させる為のプロセスを相手の立場も理解しながら考えると、実現は近づくかもしれません。双方相手を理解する事によって、双方問題解決に向けてそれまで反対方向に進んでいたものが、そこからは問題解決という同じ方向へ向かえるきっかけに繋がります。

風営法ダンス規制問題は「ダンス規制」が問題ではなく、関係者(立法、行政、周辺住民、事業者、DJ、音楽関係者、お客さん等)それぞれが自己以外の意見に歩み寄る姿勢を見せない事に今現在問題が起きている様な気がします。関係者それぞれがバラバラの方向を向いて活動を続けても問題は永続的に解決に至らない様な・・・
物事は対立関係ではなく、みんなで同じ問題に対して「解決」という共通のゴールを目指して相互理解を深める事が重要だと、この風営法問題を通じて感じています。
ラベル:海の家 騒音
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2013年10月22日

西麻布のクラブ摘発

警視庁生活安全特別捜査隊等により10月20日午前、西麻布のクラブが風営法違反(無許可営業)で摘発され経営者らが逮捕されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131021-00000045-jij-soci

容疑は店内にDJブースやダンスホールを設けて客を躍らせる営業に必要な営業許可を取得していなかった無許可営業の容疑です。
東京等では同種の営業で許可を受けず営業を行っているケースが多く存在します。
現在、風営法とダンスに関する問題が色々と議論されていますが、現状の法律では許可取得が必要となります。当然ですが警察は法に基づく活動を行っていますので、ダンス規制の善し悪しに係らず無許可であると検挙の対象となります。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月17日

海の家クラブ化規制

家族連れ等の海水浴客でにぎわう海岸の海の家で行うクラブイベント規制が行われています。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/local/leisure/?id=6087985

海岸で大音量で若者が酒を飲みながら踊る等し、酔客による乱闘などが発生する等治安が悪化している事から、家族連れ客等は海水浴場離れを起こしている様です。
海岸によってはタトゥーの露出禁止などを行い家族連れが安心して海水浴場へ来れる環境を目指しているようです。

繁華街にあるクラブは風営法の許可を受けて営業する中で年少者の立入制限等がありますが、海水浴場は家族連れ等で小さな子供も多くいます。
今後自治体は条例改正等を行いさらなる規制を検討している様です。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 19:11| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月02日

クラブとカラオケにおける風営法取締の違い

クラブ(この記事では客を踊らせる営業の店を指します)は風営法による直接的な厳しい指導や取締を受けますが、カラオケボックスはあまりその様な話を聞きません。この違いはどこにあるかを少し考えてみました。

カラオケボックス業界では業界団体があり、その中で自主規制基準を定めて、各都道府県の青少年育成条例等基づき自主規制団体として届出を行っています。
その自主規制基準の内容はまさに風営法です。室内の見通し、騒音基準、学校周辺の出店規制、明るさ基準、客室施錠規制、管理者の設置等があり、ものによっては風営法より厳しい基準が設けられています。また風営法と同じ様に管理者講習制度も存在します。
警察庁はこの自主規制基準は自主的措置と一定の評価を行い、各警察本部に対してはこの自主的措置の促進を行う様通達が出されています。また、カラオケボックスの管理者講習に関しても講師派遣等により警察側は業界の自主的措置に対する協力を行っています。
警察側もむやみやたらに法を駆使した取締を行うのではなく、健全化等に向けた自主的な活動は尊重し、それに対して協力を行い善良な風俗環境の保持や青少年の健全育成に向けた取組を行っています。

他にも類似のケースとしてボーリング業界は昭和30年代に風営法規制の対象化を予測し自主規制を全国的に取り入れ、結果として風営法規制の対象外扱いとされています。

しかしクラブの業界においては業界内において自主規制を目的とする団体が現状存在しない事や、風営法に匹敵する様な自主規制基準が設けられていない事から、風営法等の法による直接的な指導や取締がなされる事につながってきます。警察側として風営法等を用いて対処するしか選択肢がないともいえます。

今の風営法によるダンス規制問題解決のヒントはこのあたりにも隠れていそうですね。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月24日

六本木のクラブ摘発・女子高生の飲酒も

警視庁により7月20日午後、東京都港区六本木において風俗営業許可を取得せずダンスクラブを営業したとして店の経営者らが逮捕されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130723-00000049-mai-soci

また、その際に17歳の女子高校生が客として飲酒しており、その少女らが補導されました。
風営法の規定では18歳に満たない者がこういった店に立入る事を禁じているとともに、未成年者(20歳未満)の者が飲酒や喫煙をする事は風営法に限らず当然に禁止されています。
この店では今年に入っての半年ほどで強盗や窃盗事案が100件以上発生しており、未成年者が被害者となるケースも多く発生しているようです。

風営法によるダンス営業規制での摘発となりましたが、風営法の根本的な考え方として、風営法に抵触していてかつ、清浄な風俗環境の保持や青少年の健全育成に支障が生じる場合において風営法による摘発等を行う部分があります。
風営法の規定に反している事はそもそも法違反ともなりますが、これに加えて弊害が生じた段階で取締を受けるケースがほとんどです。
一昨年から昨年にかけてインターネットカフェの個室問題がありましたが、インターネットカフェの個室化はその何年も前から存在しました。
5平方メートルに満たないスペースで客に飲食させる事は風営法第2条第1項第6号の営業となり許可を取得しなければ無許可営業となりますが、今まで何年も摘発される事はありませんでした。
しかし、児童売春の場として使われたり、不正アクセスの発信地として使われる等の実被害が多く発生したため、風営法による無許可営業での取締をインターネットカフェが受け、実際に多くの店が摘発を受けました。

ダンスクラブにおいても、2〜3年ほど前まではあまり無許可営業による摘発が実施されませんでしたが、色々な被害等が発生している事を勘案し取締強化されたと考えられます。
特に最近ではドラッグの問題はさほど発生していない様ですが、窃盗事案等が多発している様です。特に無許可店舗に関しては死角部分が存在するケースが多く(許可店舗では許可基準の問題で死角部分があまり存在しません)、そこでの被害が発生しているようです。
他にも酔客による周辺での騒音苦情(酔った客が夜中に店周辺で大きな声で話している等)やゴミの放置等も問題となっています。

また、今回の様に高校生が入場したり、酒を飲んだりする行為があればさらに厳しい取締を受ける事は必須です。

私の立場上こんな書き方をするのはおかしいですが、
許可無許可の問題よりも犯罪や青少年問題、近隣トラブルを発生させないことが一番大切だと思います。
これら問題が続いている状態では規制緩和がなされるどころか、一層の取締強化へとつながります。
ラベル:未成年者 高校生
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月18日

海の家がクラブ化

海の家が大音量の音楽を流し若者がダンスに興じる動きが目立っている様です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130618-00000524-san-soci

周辺の住宅からの騒音苦情問題や酔客によるトラブルも発生しており、常設のダンスクラブと同様の問題が生じています。

神奈川県警では常設ではない海の家におけるダンス行為が風営法に直接触れるかは今後の推移を見守るとしている様ですが、風営法の条文中では常設店舗に限定する条項が無い事からも考えて、今後トラブルが多発する様だと風営法による取締が行われる可能性は十分に考えられます。

全国的にビーチにおけるマナーと規制の問題は発生しており、入墨の露出規制等は全国でも増えています。
ビーチは当然ながら年齢制限がなく家族連れも多く訪れる事から、入墨や酒を飲みながら男女が踊る様な行為の規制は多くの自治体が今後も検討していくと思われます。
ラベル:海の家
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2013年05月27日

ダンス規制緩和の前にトラブル減少が必須?

26日の六本木におけるダンスクラブの摘発記事を見ると、警察側は酔客トラブル等の多さを指摘しているようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130527-00000097-san-soci

表現の自由等の主張により風営法ダンス規制に対する緩和運動が行われていますが、トラブル数がクラブでは多い現実があります。
先日の警察庁の発表ではそれほど多くない数字が出されていましたが、これは明らかにクラブによるトラブルと確認できた数字のみの公表であり、実際のクラブ絡みのトラブルや事件はかなりの件数があるようです。
ただクラブは出入りする客の数が多いことからトラブル数も増加するのですが、周辺住民等から見るとこれは大きな問題となっているようです。
トラブルを起こすのはクラブに来ている一部の人だとは思いますが、クラブに来ていない人から見ればクラブ全体の問題と見られてしまいます。

風営法の規制にクラブが入っている事がトラブルの増減にどう影響するかは正確な検証はできていないと思いますが、
トラブルが発生しているという事は、周辺の住民は騒音等の被害、暴行を受けた人間は暴行被害等、実害がクラブで生じているのが現実です。
他にも窃盗被害、近隣では酔客の嘔吐物が散乱している被害等もあります。
そんな状況下において規制緩和を実施するのは被害者側の意識からは困難とも考えられます。

規制緩和を実施する為には、行政側、店側、そして利用客側が一丸となってトラブル撲滅に向けた取組みをすることが必須ではないでしょうか。
今は行政側とクラブ側が規制を巡って対立いているような状況がありますが、本当は連携して一部の迷惑な客等の対策を行って、地域の発展等に向けた取組をすべきとも思います。
そして環境がよくなれば規制は自然に緩和されていくものかと思います。
ラベル:苦情 風営法改正
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六本木のクラブ無許可営業で摘発

5月26日警視庁生活安全特別捜査隊により六本木のクラブ経営者らが無許可で客を踊らせたとして風営法違反(無許可営業)で逮捕された。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130527/crm13052702000000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130527/crm13052702000000-n2.htm

同店では酔客によるトラブルが絶えず今回の摘発に繋がったとされている。
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2013年04月02日

クラブ規制は日本だけ?

日本では風営法の規定により設備を設け客にダンスさせる営業は許可が必要とされており、DJが音楽を奏でながら客が酒を飲みながら踊る様なクラブ営業は風俗営業許可が必要とされています。
これが日本以外の国ならばどうかを調べてみると客にダンスをさせる営業に対して規制している国は今調べた範囲では見当たりません。この「ダンス」という行為を規制の基準にしている国は日本以外ではなかなか考え難いです。
そしたらクラブが規制されているのは日本だけ?と言う話になりますが、クラブに対する営業規制は多くの国が実施している現状があります。
諸外国においてもクラブは酒が提供され、不特定多数の客が出入りする事から、それなりに問題を発生させる恐れ等がある事からクラブは規制の対象になっているケースが多いです。
規制の内容は許可制や届出制であったり営業時間や場所規制等の態様は国により様々ですが、特にお酒が提供されるクラブが完全に自由に営業できる事はなかなか無いようです。

そう考えると日本も外国も共通してクラブ営業を完全に自由に行う事はできない中で、何故今日本ではクラブ等で風営法改正を求める声があがってるのでしょう。
これは色々あるとは思いますが、風営法条文中にある「ダンス」と言う単語が問題になっていると考えられます。
風営法等の法律は本来歓楽街秩序や風紀、青少年保護を目的としていますが、何故「ダンス」が風紀を乱したり青少年に悪影響を及ぼすのかを疑問視する声があるからと考えられます。
これを単に「酒場」と考えれば風紀が乱れたり青少年が出入りすべきで無いと理解が得やすいはずです。諸外国では酒場全体に営業時間制限を行ったり許可制にしている国もあります。

では日本も酒場全体に規制をかければとも考えられるのですが、憲法で営業の自由が保障されているので規制は必要最小限にする必要があります。その結果として「酒+○○」を対象にして必要最小限の規制を目指したのが今の風営法の考え方です。
しかしその○○が「ダンス」になっている事が今となって問題となっています。最小限の規制を実施しようとしたけれど、日本は過剰規制と海外のメディアからまで書かれる結果になっているのが実情です。確かに日本の風営法は他国の酒場規制の法律に比べて細かい規制が多いのも事実ですが、元々必要最小限の営業にしか適用していない規制という考え方なので内容は厳しくなっているようです。

この問題、風営法条文中の「ダンス」と言う単語を何かに置き換えるか、いっそ酒場全体に新たな規制(内容は少し緩和して)を行うかが必要なのかと個人的には思います。

国によって娯楽や文化は異なるので歓楽街対策の法律は異なって当然なのですが、これから更に日本が世界の中で勝ち抜く為には色々な国の実態と比較して考える必要もあるのではないでしょうか…
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2012年12月25日

警察庁からダンスに関する質疑応答が公開されました

警察庁生活安全局保安課より平成24年12月17日付けで客にダンスをさせる営業に係る質疑応答についてという通達が出されました。

今回の回答による大きなポイントは飲食を伴わない4号営業と客に飲食させる3号営業によって判断基準が異なる部分です。
先ず飲食を伴わない4号営業に関しては社交ダンスの様に男女がペアとなって踊るダンスを規制の対象とし、ヒップホップや盆踊りなど男女がペアと通常ならない様なダンスに関しては直ちに規制の対象とならない。但し、著しく狭い場所で大人数が踊る場合は男女間の享楽的雰囲気が過度になる可能性もあるので規制の対象となるとされています。
これに対し飲食を伴う3号営業に関しては男女がペアとなるダンス以外も原則として規制の対象になるとされています。但し享楽的雰囲気が過度にわたり風俗上の問題等を生じさせるおそれがあるとは認められない営業は除くとして、食事付きの盆踊り体験プログラムが例示されこれは規制の対象外とされました。
この理由として店内外における暴行・傷害事案等の発生や、周辺住民等からの騒音や酔客による迷惑行為等の苦情が警察に寄せられるなど、善良の風俗等を害し、各種問題を起こしている実態があるとされています。
また、3号営業の規制に対する回答の冒頭に「客をダンスさせる営業は、適正に営まれれば国民に健全な娯楽を提供するものとなり得るものである一方、営業の行われ方いかんによっては、享楽的雰囲気が過度にわたり、善良の風俗と清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあるため、必要な規制を行っているものであり、その規制対象となる営業についても、この趣旨に即して判断されることとなる。」と書かれており、前述の周辺住民等からの苦情等により善良の風俗等を害している状態がある営業に関しては規制の対象と判断されます。

警察庁の見解として客にダンスさせる営業そのものは、健全な娯楽と解しています。
ただ、営業の種類等や個別のお店によっては各種問題が発生している実態があるので、「ダンス」と法文的には書かれていますが、「ダンス=風営法」というより「ダンス+問題事案=風営法」の様なニュアンスとも読み取れます。
やはり風営法が本当にしたいのは「ダンス規制」ではなく事件や迷惑行為を及ぼす恐れのある店を事前に許可制の対象とし、場所や時間を規制する事により周辺への迷惑行為を防いだり、その様な場所へ青少年が立入る事を防ぎたいと思われます。ダンス以外の営業でも接待が伴う営業やゲームセンター、パチンコ店も基本趣旨は同じ考えで規制がなされています。
という事は、もし「ダンス」を扱う全てのお店が何らの問題を発生させなくなれば規制する対象でなくなるとも考える事ができますね。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月29日

ダンス規制撤廃運動と風営法のズレ

今、風営法からダンス項目の削除を求める運動が行われています。
http://www.letsdance.jp/
ここでは風営法によってダンスが規制されているが、ダンスが風俗や環境を乱すのでしょうか?等として、ダンスは健全な文化であるのに風営法によって表現の自由等が制限されているとして運動が行われています。

確かにダンスや音楽は健全な文化であり風紀秩序維持を目的とした風営法によって規制するのもポイントがずれているように見えます。
また平成24年度からは中学校でダンスの授業が行われるなど教育に取り入れられています。
ダンスをする事が風紀上問題なのでしょうか?これは違うと思います。であればこの運動の通りダンス規制を風営法から撤廃する必要があると思います。

しかし、風営法はダンス行為が不健全だから規制をしているのでは無いように思えます。
先ず風営法は「ダンス」を規制しているのではなく「ダンスを伴う営業」に限定して規制を行っています。
風営法ではダンス行為そのものは一切制限を行わずダンスそのものは不健全な行為と考えていません。
ダンス営業を行う店には色々なお店があると思います。例えば主として音楽を聴きながら体を動かすお店があります。これは確かに音楽という文化を楽しむお店であり風営法で規制するようなお店では無いとも思えます。
ただ、お店によってはダンスを行うスペースよりも、ソファー席でお酒を飲むスペースが多く音楽やダンスを楽しむより、その場での異性間の出会いや楽しんだり、お店によってはその出会いを促すようなサービスがあったり、DJがお客さんに対してテキーラ等の強いお酒を煽ったり、場合によってはDJが出会い(ナンパ行為等)を煽るケースもあります。
その場で初めて知合った男女が入り乱れて酒を飲む様な行為が見受けられます。男女が出会い楽しむ事は自由ですが、これらの行為が行われるお店に子供を持つ親ならば正直行かせたく無いでしょう。行かせなくても家の近所や自分の子供が通う学校の近所にはこの様なお店は存在してほしくないでしょう。
この様なお店に関しては年少者の立入規制、住宅街や学校等周辺での営業規制、店内で過剰な行動が起きないように店内の照度規制や見通し規制が行われる必要性があると思われます。
この様にダンスが絡むお店でも法規制の必要性が感じられないお店もあれば、法規制をしっかりすべきと思われるお店があります。

風営法が規制するダンスを行うお店にはこの様に大きく2つの種類に分けることができると思います。
風営法では純粋に音楽を楽しむお店も男女が出会い享楽的なお店も一くくりにダンスをさせるお店としています。
運動側は男女が出会い享楽的なお店を考慮せずダンス規制撤廃を求め、法律は純粋に音楽を楽しむお店を考慮せず一律の規制をしていると考えられます。
このままでは論点がズレたままで、いくら運動してもいつになっても何等の解決に至らない可能性もあります。

現在の風営法がこの2種類のダンスを行うお店を法規制が不要なお店と規制が必要なお店に明確に分ける事がこの問題の解決になるのではないでしょうか。
風営法改正を求める運動においてはこの点を考慮し、現在のダンス規制撤廃を主張すると同時に、享楽的なお店に対する規制の必要性を主張し、その2つを明確に分ける方法を提示すればこの運動は進展するのではと思います。
また国側も一概にダンス営業店を規制対象にするのではなく、これらを分けて法の構成を再考すべき時期が来ていると思います。
そうすれば健全な文化発信が行えるとともに、享楽的な営業に関してはしっかりと規制が行えると思います。
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2012年10月01日

殺人現場のクラブ摘発

9月30日未明に東京都港区六本木のクラブで風営法の許可を受けずにDJブース等の設備を設け客にダンスと飲食をさせたとして風営法違反(無許可営業)で警視庁生活安全特別捜査隊等により摘発され経営者らが逮捕された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121001-00000067-jij-soci

このクラブでは2日に殺人事件が発生していた。

風営法ではDJブースやダンスホール等の設備を設け客を踊らせる場合は風俗営業許可が必要とされています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月08日

クラブ規制はダンスに有らず

風営法でクラブやディスコ等は第2条第1項第3号の営業として規制がなされています。
条文では「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食させる営業」とされており「ダンス」に対する規制と見受けられます。
しかし「ダンス」が真の規制対象かとなれば疑問が残る部分と思います。
法の目的は享楽的雰囲気が無制限に拡散して周辺の環境を保持に支障を来たしたり、享楽的雰囲気が年少者の健全な育成を阻害する事を防止する事にあり、「ダンス」がこれに当たるとは考え難いです。最近では中学校の授業でも「ダンス」が教えられているくらいですから。
しかし長年この法律が残されたには理由があるはずです。
実際のクラブやディスコには「ダンス」のスペース以外に飲食をするスペース(店によってはVIPルーム等もあったりします。色々なお店を見た正直な感想として、全ての店がそうではありませんが店内でナンパが行われ、そこで知合った異性がその飲食スペースで酒等を飲む事により享楽的雰囲気が過度になっています。ダンスホールで賑やかな音楽が奏でられ大勢が楽しく踊る事により飲食スペース等で異性間の交流を楽しむ者を助長しているとも考えられます。実際に客の全員が音楽やダンスに集中しているとは考え難い店も多く存在します。
異性が夜の店で知合って仲良くなる事は悪い事ではありませんが、もしこの様な場所に青少年が出入をしたり、この様な店が小学校の横や閑静な住宅街にあっては大問題です。
風営法ではこの様な事態を避けるため許可制を採用し、営業が出来る場所を定めたり、年少者の立入を禁ずる等の規制が行われています。
しかし客全員が一丸となって音楽を楽しみ踊る様な店に関しては青少年に悪影響を与える様な事は考え難くなります。今の法律が「ダンス」という1つの言葉で縛っている事により純粋に音楽やダンスを行う店と男女間の享楽的雰囲気を楽しむ店が同じに扱われている現状があります。

もし今の法律にある「ダンス」という言葉が別の言葉となり、純粋にダンスをする店は風営法の対象から外れ自由に営業を行い、そして男女間の享楽的雰囲気を楽しむ店は規制を存続し青少年の健全育成等の阻害が生じない様になる事が今のクラブ問題解決の糸口かもしれません。
ラベル:ダンスクラブ
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月14日

東京で無許可でクラブ営業をしたとして検挙

5月12日警視庁生活安全特別捜査隊により東京都世田谷区の飲食店が風俗営業許可を取得せず客に対してダンスをさせたとして経営者や店長が風営法違反(無許可営業)の現行犯で逮捕されました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120514-00000543-san-soci

同店では以前、風俗営業許可を取得して営業を行っていたものの、禁止されている深夜営業による行政処分を受け、許可を返納していた。

風営法の規定ではダンスをさせる為の設備を設け客にダンスをさせる場合が風俗営業の対象となっており、同店では客がダンスを出来る状態の設備を有しており、その店内で客がダンスを行った事が摘発の要因となっているようです。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 22:03| Comment(2) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

福岡市のクラブが無許可営業で検挙

5月12日福岡県警中央警察署により福岡市中央区天神にあるクラブ「CLUB MARS」が風俗営業許可を受けず客にダンスさせるスペースを設け客にダンス及び飲食をさせたとして風営法違反(無許可)で同店の経営者が逮捕されました。
報道によると深夜に大音量を流す営業を行っており、近隣から違法営業である等の通報を受け警察が捜査をしていた様です。
福岡市内でのダンスを伴うクラブの摘発は昨年秋頃から4件目。

クラブ営業で一番問題となっているのが近隣騒音とも言われています。
クラブが風俗営業許可を取得する際の検査でも騒音の検査は厳しく行われます。それに伴い、防音工事を行う等の対策を店側が行っています。
無許可の営業に関しては騒音の検査とかをクリアしていないので、周辺から苦情が発生する様な状態になっているケースが考えられます。
ラベル:騒音 近隣苦情
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 11:05| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月16日

六本木のクラブ・営業停止無視で逮捕

4月13日に警視庁麻布警察署は営業停止処分を無視して営業したとして経営者を現行犯逮捕しました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120416-00000461-yom-soci

この店は昨年11月に風営法違反で検挙され今月13日から180日の営業停止処分を受けていましたが、13日午前1時過ぎに営業を行っていた為に逮捕となりました。
なお、この営業停止処分は風営法違反(無許可)を行ったことによる公安委員会からの飲食店営業に対する営業停止処分と思われます。
飲食店営業の本来の管轄は保健所ですが、風営法違反が同じ店で起こった場合はそれに対して公安委員会が営業停止処分を行う事が可能です。
なお、無許可営業で検挙されていて、同じ経営者が店を継続して営業している状態ですので、今後5年間はこの店において風俗営業許可を取得することは出来ません。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | クラブ問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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