2016年09月08日

法律上のラブホテルが減少

現在のラブホテルは法律上2つの種類が存在します。1つは風営法に基づく届出を行っているラブホテルともう1つは旅館業法に基づく旅館業許可(ホテル営業又は旅館営業)のみで営業を行っているラブホテルです。風営法の届出も無しに営業しているラブホテルは違法なのではと思われる方もおられますが、国内にある実質的にラブホテルと呼ばれるホテルの半数以上は風営法に基づく届出を行っていないのが現状です。またその殆どは風営法の規定に該当せず届出が不要なホテルであり合法的な営業となっています。風営法では一定の施設及び設備の内容が規定に合致する場合にラブホテルと定義しており、その場合は営業を行うに際して届出義務を課しています。逆に風営法の規定に合致しない場合はいくらカップルの休憩利用が主たるホテルであってもラブホテルとして届出を行う事はできなくなっています。
風営法の規定に合致するホテルとは
@カップルが主として利用するホテル
A一定の施設(客室以外の共用部分)*ロビーの客室案内板に部屋を選べばフロントで鍵をもらわずとも入室できる、食堂が一定面積以下である等
B一定の客室内設備*風呂がガラス張り、回転ベッドがある、客室内に自動精算機がある等
となっており、この@〜Bが揃って風営法上のラブホテルとなります。特に最近のラブホテルは一昔前と異なりシンプルな造りのホテルが増えており、これらに合致しないホテルが沢山存在します。

詳細は↓をご覧ください↓
http://fuei-kaisei.com/f_hotel.html

風営法のラブホテルとなれば敷地外に看板を設置できなかったり、一般のホテル予約サイトに掲載できない等の制約があります。また当然ですが法律上のラブホテルであれば18歳未満は入れない事から家族連れ等を宿泊される事はできなくなります。最近では外国人旅行者の増加に伴いラブホテルを一般の旅行者向けに売り出すホテルも増えていますが風営法の適用を受けていると何かと制約をうけます。
風営法の適用を受けるラブホテルも当然に旅館業に基づく許可を有している事から前述の風営法による基準を満たさない状態にすれば直ちに一般のホテルとなります。これは利用実態がラブホテル同等であっても可能です。昔のラブホテルは人と顔を合わさない、ムードのある部屋、外観は派手というのが利用者からの支持を得ていましたが今ではその様なニーズに応えなくともラブホテルは営業が成立つ時代であり構造的には一般のホテルと同等で営業が可能です。そんな中、風営法は構造等でラブホテルか否かの判断を行っているので風営法の適用を受けないラブホテルが増加する事となります。この問題は以前偽装ラブホテルとして大きな社会問題になり適用対象となる構造や設備の見直しが平成23年の改正により行われましたが、法律の変化よりも実情変化の方が早いスピードで起きており結果として法律が追いついていないのが実情です。また今のラブホテルの形態であれば構造等でラブホテルか一般ホテルかの見分けは困難な状況であるともいえます。
ラブホテル議論に関しては構造等以外にも利用方法での判断もあります。今の風営法であれば専ら異性客が同伴する事が定義として存在しますが、これだけであれば新婚旅行客が多い一般ホテルまでもが風営法上のラブホテルになってしまいます。また休憩利用が行えるか否かで判断すればとの議論も以前ありましたが、最近では一般ホテルも日中時間帯の有効活用を行いデイユースの受入を行っている関係から一般ホテルにラブホテル規制をかける恐れがあります。実際に多くの実態上ラブホテルがあるにも関わらず法律上のラブホテルが殆ど存在しない県もあり、風営法におけるラブホテル規制をこのままの形で存続させる意味があるのかとの疑問もあります。
最近では元々風営法の適用を受けていたラブホテルでも、一部改修を行い実質的な営業方法の変更を行わずに風営法の適用だけ外すケースが増加している等、法律上のラブホテルは減少しています。

現在ラブホテル規制の実態は各自治体による旅館業法に関する条例です。自治体条例はラブホテルに対する営業方法等の規制(風営法の様な年齢や看板の規制)ではなく、ダブルベッドに対する規制等、ラブホテル営業に繋がる恐れのある構造等を旅館業許可の段階で禁じる規制方法です。ただ、各自治体毎に定める条例であり、地域によっては殆ど規制が無いケースもあります。再び風営法の見直しを行うのか、旅館業法においてラブホテル規制を全国一律で行うのか再び検討すべき時期ではないかと思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 03:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ラブホテル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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