2015年04月09日

風営法のラブホテルと世間から見たラブホテル

日本全国にラブホテルと言われる施設は1万軒弱存在すると言われています。

そしてラブホテルは風営法においては店舗型性風俗特殊営業として定義されており、営業を行うに際しては公安委員会に対して届出を行う必要があります。
下は公安委員会に対して提出されているラブホテルの届出件数です。

平成21年3837件
平成22年3692件
平成23年6259件
平成24年6152件
平成25年6027件

風営法の届出件数が実態のラブホテル軒数に比べてかなり少なく見えます。無届の業者比率がかなり高いと見えます。実際にそうなのでしょうか?
実は風営法で定義するラブホテルと一般的に言われるラブホテルの定義には大きな違いがあります。
世間一般的にはカップルが性行為等を目的として利用する施設と考えられてるが、風営法では次の通り定義されています。

風営法第2条第6項第4号
「専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業

少しこれを整理すると
@主としてカップルが利用
A一定の建物
B一定の客室
この@〜B全てが揃った時に風営法のラブホテルとなるとされています。
カップルが性行為等の目的で主として利用していてもABに該当しなければ風営法としてはラブホテルに該当せず、法律上は単なるホテルとなります。これにより法律上はラブホテルとはされない「偽装ラブホテル」「類似ラブホテル」が問題となり平成23年に法改正が実施されABの定義見直しが行われました。この関係で平成23年に届出件数が倍増しています。
どういった部分がABに該当するかが法律上のラブホテルとなるかですが、
Aは食堂やロビーが狭い、フロント等が目隠しされている、カギを手渡しされずとも客室へ入れる等です。
Bは回転ベッドやガラス張りの浴室がある、SM等の設備がある、自動精算機がある等です。

http://fuei-kaisei.com/f_hotel.html
詳細はこちら

風営法のラブホテルと定義されれば主に以下の様な規制がなされます。
・出店時の立地規制
・敷地外での看板設置禁止
・年少者の立入禁止
法規制以外にも
・金融機関との取引で制限される場合がある
・求人や集客広告に制限がある

最近のラブホテルは回転ベッドを設置したりする等の卑猥なイメージの客室よりも、スタイリッシュな客室が増えており、利用者からも好まれる傾向があります。
また、昔は出入口が見え難い感じになっていたり、できるだけ従業員と顔を合わさない構造が好まれていましたが、最近では出入口もスタイリッシュであったり、フロントで従業員と顔を合わす事に抵抗を示さない利用者が増えてきました。
そうなってくると、AやBを設けなくともラブホテルの営業は可能になります。AやBを設けないという事は風営法に基づきラブホテルの規制を受ける事がなくなります。
その結果、風営法のラブホテルと世間から見たラブホテルの数が開きが生じてきます。また、規制を受けない関係から小学校の近所にラブホテルが建設されたり、ラブホテルの看板が設置される可能性も大きくなります。また、年少者が利用する事も法律的には可能となります。

平成23年の改正に際しては可能な限り全てのラブホテルを規制の対象としたい考え方と、規制の方法によっては一般のホテルまでが規制対象になってしまう部分で議論が繰り返され、結果として一般のホテルにまで規制が及ばない範囲の規制となりました。
議論の段階では休憩利用があるホテルはラブホテル等との意見もありましたが一般のホテルがデイユースプラン等を行っている事等から対象外とされました。
また、風営法によるラブホテル規制制定当初カップルが主として利用するホテルはラブホテルとすべきとの議論もありましたが、ハネムーン向けのホテル等がこれに該当し、大手旅行会社のハネムーンツアー等に組込めない等の問題があり、構造等の基準も設けられました。

平成23年に一旦増加した届出件数も24年以降から再び減少しており、今後も減少すると考えられています。
本来規制が必要なラブホテルのうち風営法の網から外れていくホテルが増えていけば、再び風営法規制見直しを行って規制対象の拡大を行うか、そもそもラブホテルを風営法で規制する必要があるのか等の議論が繰り返される日も近いと感じます。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 性風俗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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