先日の大阪市長の発言においても「風俗」とは性的なサービスが提供される営業を指していたと思われます。
風俗営業等が定義されている風営法ではどの様になっているかですが、
「風俗営業」とはキャバレーやキャバクラ、ラウンジ、クラブ、ダンスホール、麻雀、パチンコ、ゲームセンター等が定義され、これらは風営法の基準に基づいて許可を受ける事ができる営業です。
「風俗営業」とは許可が受けれる=行政が営業を認めるものです。
対して世間一般に言う「風俗営業」は風営法では「性風俗関連特殊営業」として「風俗営業」とは完全に別に定義されています。
風営法の中では「風俗営業」と「性風俗関連特殊営業」は手続や規制に関して完全に別々の考え方で構成されています。
「性風俗関連特殊営業」に関しては許可制はなく、営業を行う場合には届出の義務が課されています。
ただ、営業できない禁止地域や営業時間の制限などもあり、届出制とは言え自由に営業ができるものではありません。
逆に許可を受ける事ができない=行政側は一切認めていない(否定も肯定もしていない)と考えられます。
(行政側の実態把握等の意味合いから届出義務があるようです)
世間一般的に言う「風俗」は法律的にも行政側も「認める」といった形にはなっていないのが現状です。
(今後も認める可能性は限りなく低いと思われます)
よく法律上の「風俗営業」の方からは「何故我々が風俗営業なのか?」「健全な営業なのに!」との言葉を耳にします。
しかし逆に考えると「風俗営業」は法律的にも一定の基準を満たした営業を行えば健全な文化や娯楽産業として考えられており、それに対して審査をクリアすれば行政側から許可という形で認められるお墨付きを受けた営業とも言えます。
元々「風俗」という言葉はその地域、その時代を象徴するような日常生活のしきたりや風習、文化等を表す言葉です。
この言葉の原点から考えれば「風俗営業」はその時代を象徴する文化や娯楽を指すとも考えられます。
それらの営業に対して許可制を採用し、行き過ぎた営業を行わず健全かつ文化的な営業を維持させようとしているのが風営法と考えられています。
逆に少し乱暴な表現かもしれませんが、「風俗営業」として定義されていない営業に関しては法律が現代の娯楽としてお墨付きを未だ与えていない営業とも言えます。
考え方によっては「風俗営業」に定義されている営業を行っている方は国家からのお墨付きの営業を行っているともなります。
しかし、世間は「風俗=性風俗」が現実です。
今風営法を巡る議論が様々な所で繰り返されていますが、「風俗営業」という言葉を「文化営業」とかに変えれば道筋が見えるかもと思うのは自分だけですかね・・・