2012年05月29日

風営法は何故ダンス等を規制しているのか?

風営法ではダンスや接待を伴う営業何故規制しているのでしょう?
ダンスやそのものが悪い行為ではなく、風営法では周辺に騒音を発生させたり社交的に酒を飲む様な青少年の健全育成等に影響を及ぼす可能性がある営業に対して騒音や振動の基準を定めたり住宅街での営業を禁じたり学校周辺での営業を禁じたりと周辺環境や青少年に対する悪影響に対して規制を行っています。
許可制が採用されている理由は店が様々な基準を満たして周辺等に悪影響を及ぼさない状態が出来ているか審査する意味合いが強いとされています。
風営法は戦後の法律で元々は社交ダンスを想定したものだとの意見も多くあるのですが、これは戦後制定された風俗営業取締法時に売春等を防止すべく営業の内容に重きを置いて施行されていました。
ただ昭和60年に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に改められ営業内容の規制を行う事により環境浄化や青少年健全育成を図る事に重きを置く流れに変化しました。その観点では社交ダンスに限らず大きな音量で音楽をかけるクラブやディスコも周辺環境保持の為には規制の対象とされます。
この法律によって守るべきは周辺住民や青少年である為、これらの保護が維持出来るならば風営法は不要となりますが、維持出来ないなら必須な法律と考える事も出来ます。
例えば入院施設のある病院の横に大きな音量を放つ店があり、しかも何等防音対策が施されていない状態で深夜まで営業していたらどうなるでしょう?これはどう考えても問題になります。仮に今のクラブ業界の人達がそんな事はしないと業界内で一致団結したとしても、新たな参入者がこの様な行為を行ってしまう可能性があります。なので風営法では営業できる地域や騒音振動による基準が定められており営業時間も規制されています。

参考として平成9年に国会でダンスと風営法の関係が議論がされた際の政府見解として(注解風営法より一部引用)
「・・・ダンスホールを除外した場合には、不特定多数の客とのダンスを行うことが可能な営業所に少年の立ち入りを認めることによる少年の健全育成に対する影響、あるいは生バンド演奏を伴う営業所が住宅街に出現するということによる生活環境の悪化、あるいは照明を暗くしたり個室や著しく狭いフロア等を設けてダンサー等によるいかがわしい行為をさせる営業の出現の可能性が懸念されるところであります」

ここからは私の勝手な案ですが、お店側にとって風営法により影響を受けている部分としては「営業時間規制」があると思います。
先ず営業時間規制が為されない場合に影響を及ぼすのが深夜の騒音等(客の声も含む)周辺住民への問題や長時間に及ぶ飲酒によるトラブル増加が考えられます。
であれば、騒音振動対策基準の強化(防音扉二重構造等)、営業可能地域の更なる絞込み、提供する酒量の制限等の新たなる基準を設けて、それをクリアした店に対しては営業時間規制を解除するという事が考えられます。
この様に新たな厳しい基準を設けて周辺等に対する影響を及ぼさない措置を行う代わりに営業時間制限を無くせば、周辺等の保護は行え周辺住民等も困りませんし、その騒音等によるトラブルに対処すべく警察の負担もかかりませんし、お店にとって時間制限も撤廃され深夜営業が可能になり全員が満足を得られる状況が構築出来るのではと思います。
周辺環境とは直結しませんが「客室は最低66平方メートル以上」との基準もありますが、これも同様の考え方で客室内の見通し基準強化を行えば緩和等とすれば皆が良い方向に向くのではと考えます。
現在ではなにか業界側と取締を行う警察側みたいな構図が出来上がってますが、業界・お客さん・警察等の行政・周辺住民の全てが向き合って新たなるルールの構築へ向けて進めば変化させる事は比較的容易ではないかとも思います。


posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ダンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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