2012年05月27日

ダンスクラブの規制撤廃を求める署名

ダンスクラブの風営法規制撤廃を求める署名活動が始まります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120524-00000001-notr-musi

以前より法と実態の乖離が大きかったダンスクラブと風営法の問題に関して5月29日から有名ミュージシャンらも名を連ねて署名活動が始まります。

ただこの記事や他の記事でもよく見受けるのが誤った法の解釈です。
法の改正等を求める際に誤った主張を行っていれば論点がズレ、話が前に進まなくなります。
この署名文書を作成している方は正しい解釈で正しい書面を作成されていると思いますが、周りの賛同者等が誤った主張を行うと折角の署名活動等も無駄にする可能性があります。
細かい言葉の問題ですが法律はその細かい言葉で組立てられていますので、正しく解釈し主張する必要があります。「屁理屈」の様に思える部分がとても大切になります。

例えばリンク先の記事では
「条文に照らすと「客を踊らせる行為」は違法とされている。」
とありますが、条文を正しく読むと
「客を踊らせる行為は風俗営業となり風俗営業許可が必要」
となります。

他にも
「クラブは性風俗の取締りを主な目的とした風営法の対象」
とありますが、これも大きく異なります。
そもそも風営法における「風俗営業」には性風俗は含まれていません。
風営法で規定する「風俗営業」とはダンスクラブの他には接待行為のあるクラブ(ラウンジ等)やキャバレー、ゲームセンター、パチンコ、麻雀等です。
これらは全て風営法では悪い行為とは考えていません。なので一定の要件を満たした者には許可を与える仕組みになっています。
ただこれらは酒が絡んだり、楽しい事により人間として気分が高揚したり、射幸心が煽られたりする恐れがあり、その結果店の周辺で大声や大きな音を出したり、それを目当てに来る客が見せ周辺に集まった結果、周辺の住民に迷惑を及ぼす可能性がある為に許可制の対象として場所、時間、店内構造等の規制がなされています。
また、人の気分が高揚しやすい場所に青少年を立入らせる事は健全育成の観点から問題があるとして風営法では年少者に対する規制もあります。
これら周辺環境への問題や年少者立入制限等様々な基準をクリアした健全な営業店に対して風俗営業許可という一種の御墨付きが与えられます。

「性風俗」に関して風営法では「性風俗特殊営業」としてカテゴリーを完全に分けて規定しています。
よく風俗営業に書いてある規制を性風俗特殊営業に当てはめる方もおられるのですが、殆どの規定は別に設けられています。
現在の風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)は昭和60年施行ですが、ぞの前に(風俗営業取締法)という昭和23年にできた法律があります。この法律が施行された段階で性風俗営業に対する条文は一切ありませんでした。
「性風俗特殊営業」に関しては許可制ではなく届出制となっています。性風俗は御墨付きを与える精度がありません。

風営法規制緩和の主張を行うに際して重大な問題があります。
この法律の保護法益の対象は誰なのか?この法律は誰の為にあるのか?この法律の目的は?です。(*1)参考
この法律第1条に目的があります。
「この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。」
短く書くと「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持」と「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止」が目的と読めます。
保護されるべき対象は周辺住民等や青少年です。規制緩和を求めるにおいて業界としてこれらの保護を維持出来る担保が必要になると思われます。
仮にクラブが風営法の規制から外れた際に、今のクラブ関係者が中高生を入店させる事はないと重いますが、そこに目を付けた人が中高生が入れるクラブを始めて深夜まで営業する様な事が起きればこれは問題です。
規制を緩和する事により今まで業界にいなかった新たな健全では無い経営者が参入してくる可能性があります。それを防ぐ方策もしっかり提案する必要性もあります。

また、現在ダンスクラブの規制緩和を求める活動の話が広まっている中で、この緩和を悪用しようと考えている者が既に現れています。
具体的に書き悪用されると困るので抽象的に書きますが「もしダンスクラブが風営法から外れたらダンスクラブの体裁を作って深夜に○○な営業をしよう」と考えている者が既に結構います。
善良な経営者や音楽愛好家にとっては大変迷惑な話ですが、一部そうで無い人に対する対策を講じなければ風俗環境保持に問題が生じる恐れがあります。
緩和する際には何等かの防護策(緩和により生ずる問題を防ぐ方策)が必要と考えられます。

法律の規制緩和を主張するには
「正しい法解釈を理解する」
「緩和で生じる副作用に対する対案を考える」
「音楽や踊りに全く興味の無い人にとってもマイナスイメージを与えない内容を考える」
等が必要と考えます。
29日から10万人目標の署名活動が始まりますが、同じゴールを目指す者全てが正しい知識を持ち、皆の主張を一致させて進む事が重要です。


(*1)風営法の目的
http://fu-ei-hatena.seesaa.net/article/183045764.html
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:12| Comment(1) | TrackBack(0) | ダンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
署名事務局の京都音楽センターって共産党外郭団体の「日本のうたごえ全国協議会」の下部組織だって知ってました?民青や共産党みたいなところに個人情報を出してしまって大丈夫なんですか。
Posted by at 2012年08月16日 02:08
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/272066675

この記事へのトラックバック