このホテルは1985年の風営法改正時にラブホテルとしての届出が広島県公安委員会に出されていた様です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120513-00000023-mai-soci
ラブホテルか一般のホテルかの区別は風営法や地域のラブホテル条例の問題であり、旅館業法、建築基準法、消防法ではラブホテルと一般のホテルの区別はありません。
ただ、ラブホテルの中には古くなり防災設備や建物そのものが老朽化しているケース等もあります。
ラブホテルは客の回転が早い為にリネン作業が忙しくなるケースが多くなる関係で、設計上では廊下や階段とされている場所にシーツ等のリネン用品を置いており避難路を塞いでいるケースも発生している現状もあります。
さらに窓を塞いでいるケースもあり、これも非常時に問題となる可能性が多い要因です。
消防や市町村の建築部門による立入検査も随時行われるわけですが、検査の時だけ通路を確保したり、場合によっては検査で指摘を受けても改善を行わず営業を継続する悪質なケースもあります。
報道等でこのホテル内部は迷路の様な構造になっており、非難が困難であったとされていますが、当然建築基準法や消防法を遵守しておれば通路幅の確保がされ、避難通路の明示(非常用バッテリーを内蔵した誘導灯等)を基に非難が可能になるはずです。
特に風営法の届出を行っているホテルは既得権の関係上築年数が経過していても修繕を繰返し営業を継続するケースが多くあります。この場合、当時の基準が現行より緩い場合が多く、安全性は現行の施設より劣る事が容易に考えられます。
防災設備等に更なる費用を費やす等して安全性を向上させる方法もありますが、新たなコストを費やしたくない営業者の思いもあるのが現状です。
しかし、本来ホテル営業側としては既得権を維持する為には新たな費用を費やしてでも安全性を向上させる必要があります。万が一施設が焼失した場合は、風営法上の既得権は存在しなくなり営業者として大きな損失も生じます。
ただ、本当に大切な事はそこで働く従業員と客の生命です。火災等が発生しても人命が失われる事の無い施設をつくる必要があります。