それをクリアする適法なお店の開業方法を書いてみます。
1・ゲームセンターになるか?
先ず、ダーツの種類ですがハードダーツならば風営法の対象ではありませんのでゲームセンターとの兼ね合いはありません。
ソフトダーツ(デジタルダーツ機)の場合は機械が風営法の対象機ですので、設置するならばゲームセンター営業となります。
2・ゲームセンター(風俗営業)の許可は必要か?
ゲームセンター営業においても客の用に供されるスペースの床面積に対してダーツ部分が10%に満たない場合は許可は不要です。
ダーツスペースの考え方は機械の面積ではなくスローイング部分も含めた面積となります。だからと言ってスローイングラインを前の方に持っていってもいけません。
風営法には警察庁が出している解釈運用基準というのがあり、そこには遊技設備の直接占める面積の3倍という規定と小さい機械の場合でも1.5平方メートルとするという規定があります。
この様な事からダーツ機のメーカー等によっても異なりますが、1台設置すると約2平方メートルくらいになります。
あと、ダーツライブ設置店にあるタッチライブの様な機械も対象となり、これは1.5平方メートルとなります。
次に客の用に供するスペースの考え方はお店全体から先ず客の出入りしない部分(厨房、スタッフルーム)を省き、さらにエントランス部分やトイレ部分も省きます。
これらの計算で10%に満たないかを判断します。
ダーツが1台の場合は客の用に供する面積が約20平方メートル、2台の場合は約40平方メートル、2台に加えてタッチライブが1台の場合は約55平方メートル、3台とタッチライブ1台なら75平方メートルとなります。
これに加えて厨房等の面積が加わるので2台設置ならば20坪適度の物件が必要と思われます。
これらの基準におさまれば許可は不要で、10%を超えた場合は許可が必要です。
なお、許可が不要な場合でもゲームセンター営業である事には変りありませんので、一部風営法の規制の適用はあります。ここがよく誤解されている部分です。10%未満ならば風営法の対象外ではありません。風営法の許可が不要なだけで風営法の枠の中には残っています。
また、許可が必要な場合でも地域によっては許可を得れない場所もあります。その場合は地域を変更するか台数を減らすかです。
許可を取得した場合は営業時間は原則24時までとなりますので、深夜に営業を行いたい場合は10%に満たない様にしましょう。
3・深夜酒類提供飲食店営業の届出は必要か?
深夜に酒を主に提供する場合は警察署で届出が必要です。
酒以外の飲食物がメインの場合は届出不要ですが、バー営業の場合はメニューにフードメニューがあってもそれは主ではないので厳しいです。
深夜酒類提供飲食店営業は可能な地域とそうでない地域があります。特に住宅系の地域では不可能な場合が多いので、その場合は場所を変えるか、深夜営業を行わないか、お酒を出さないかです。
ダーツバーでの主な法規制
・景品提供の禁止
ソフトダーツ(10%未満も以上も)でハウストーナメント等を行って結果に対して景品(商品、賞金、割引券、飲食代無料サービス等)を提供してはいけません。
ノーフィーで行っても禁止されています。万が一フィーが発生している状態で賞金が発生すると風営法違反に加えて賭博罪となります。
賭博行為に関してはソフトでもハードでも禁止です。
・営業時間の制限
ゲームセンター許可を得た場合は24時から日の出までは営業が出来ません。
・接待行為の禁止
店員と客が一緒にダーツゲームを行ったり、談笑する等は接待行為に該当します。
当然にダーツ以外のトランプゲーム等をカウンター越しに行う事も接待行為に該当します。
接待行為を行うには社交飲食店の許可が必要となりますが、ゲームセンター許可との併用を行う事は理論的には可能ですが、18歳未満は常時出入り禁止、店外から店内が見えてはいけない、店内の配置物に対する見通し規制等様々な制約が発生しますし、併用の許可は警察署としてはあまり認めない傾向です。
・深夜遊興行為の禁止
ゲームセンター許可を取得していない場合は深夜営業が可能ですが、深夜においてイベントを行ったり、客にダーツ等を勧める行為(客が自ら勝手にダーツをする行為は可能)は禁止です。
なお、営業が出来る地域や出来ない地域の定めは各地域の条例により異なります。
ダーツバーを開業する場合や現在営業しているがコンプライアンスの問題が気になる方は、そのお店の存在する都道府県で風俗営業を取扱っている行政書士に相談して下さい。
行政書士雨堤孝一事務所では大阪府下の営業に関する相談、手続を承っております。
(風営法=風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)