2016年02月11日

簡易宿所営業の要件緩和により新たなラブホテル問題勃発か

現在、平成28年4月1日の施行を目指し旅館業法に規定される簡易宿所の最低面積要件緩和を行うべく旅館業法施行規則改正に関するパブリックコメントが開始されています。

現在、旅館業法に規定される簡易宿所営業においては客室の総面積33u以上が最低要件となっているところを、収容人員×3.3uへと改正し、小規模な施設においても簡易宿所として旅館業許可が取得できる見込みです。
これにより通称民泊と呼ばれる小規模な住居に人を宿泊させる場合に、旅館業許可を取得し営業を行う事が可能となります。
(但し、旅館業法は緩和されても消防法や建築基準法の緩和は安全上の観点から行われず、これらは従前通りの運用となります。)

しかし一方で、旅館業法が従来厳しい要件の基に運用されていた結果、極小規模な風俗店のプレイルームの様な施設においては旅館業法の許可が取得できませんでした。
風営法においては旅館業法の許可が取得できており人を宿泊させる施設においては一定の基準を超えた場合のみにラブホテルとして定義(法第2条第6項第4号)、旅館業の許可が無く人の休憩のみにしか用いれない施設において専ら男女を休憩させる場合はレンタルルームとして定義(法第2条第6項第4号・ラブホテルと同)しています。

今までは旅館業法に基づく許可のハードルが高く、旅館業許可の取得可能な施設は一定以上の規模を有する施設だけでした。
しかし今回の旅館業法施行規則改正による規制緩和で小規模な施設(集合住宅の1区画を含む)においても旅館業許可取得の可能性が広がりました。
それにより小規模な施設において旅館業許可を取得し、風営法の規定に抵触する設備等(自動精算機、ガラス張りの浴室、回転ベッド等)を設けなければ風営法の規制を受ける施設とはなりません。
勿論、今回の規制緩和の対象は簡易宿所(多人数が共用する施設)ですので、直接的にはラブホテルに影響しないとも考えられますが、施設の運用方法次第ではカップルの休憩利用や風俗店のプレイルーム用としての休憩利用も可能になる恐れがあります。
極端なケースとしては分譲マンションの1室が風俗店のプレイルームになる恐れがあります。
勿論、他の要件も存在する事から単純にこの様な施設ができるわけではありませんが、排除しきれない部分となります。

今まで旅館業法の規制においては偽装ラブホテル問題に関連して年々厳しくされていました。(旅館業法や、それに基づく条例等に限らず、自治体の建築条例等において規制している場合もあり。)
しかし、ここにきてラブホテル等問題の対策があまり深く議論されていない段階で旅館業法の規制緩和が実施されれば、新たなラブホテル(レンタルルーム)問題が生まれる可能性が否定できません。
ただ、今の宿泊施設不足や実質的には違法状態の民泊を放置する事もできない事を考えれば旅館業法の規制緩和は進むと思われます。
この問題を解決する為には、再び風営法上のラブホテル規制見直しを行う必要があると思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする