2016年02月28日

ダーツバーにおける法改正の影響

今までのダーツバー(今回ここで取り上げるダーツはデジタルダーツとします)における風営法上の位置付けは風営法第2条第1項第8号営業の設備(デジタルダーツ機)を設置している営業であり、原則として風俗営業許可を取得する必要がありました。但し、ダーツ機を設置している面積が小さい(客室に対して遊技面積が10%に満たない)場合は風俗営業であり風営法の規制を受けるものの許可取得に関しては例外的に行わなくても良いとされており、許可を取得した風俗営業者のみが対象となる時間規制等は受けず営業が行えました。
今後もこの規定に変わりはなく原則としてはゲームセンターとしての風俗営業許可(改正後は法第2条第1項第5号の営業)が必要、遊技機設置面積が小さい場合は許可不要で時間制限を受けません。

ただダーツバーの中には単に客に対して飲食を提供しダーツ機を自由に(有料無料問わず)使わせているだけではなく、ハウストーナメント等として店内で大会等を開催しているケースがあります。この行為は客に対して遊興を行わせる行為となり風俗営業では無い飲食店が深夜客に遊興をさせる事は従前から禁止されていました。(風俗営業の店舗に関しては深夜飲食店規制の対象外である事から風俗営業の営業延長時間帯における深夜の遊興は可能)
今回の法改正により深夜飲食店において客に遊興をさせる事を禁ずる規定が削除されましたので、風俗営業許可を受けていないダーツ機の設置面積が小さな店舗において深夜に大会等を開催する事は原則として自由になりましたが、法第2条第11項において特定遊興飲食店営業という新たな許可業種が設けられた事により、飲食店の中でも酒類を提供して深夜に遊興を行わせる場合はこれに該当する事となりました。実質的にダーツバーで酒類を提供していない店は殆ど存在しないと思われます。
であればダーツバーが今まで認められて来なかった深夜における大会等の開催に関しては、今回の改正を受けて特定遊興飲食店営業の許可を取得すれば可能になると一見思われるのですが、今回の改正に伴う警察庁が出している解釈の答えとしては「NO」です。特定遊興飲食店(深夜に酒を提供し客に遊興を行わせる)を営もうとする者で、法2条第1項第5号(ゲームセンター)の設備を設け、それを単に使用させるだけでなく大会等を開催する様な場合は10%ルールを適用しないとしています。理由としては本来的に遊技機を設置する場合は風俗上の問題が生じる恐れがある中で規制しているにも関わらず、機器がすくなからと言っても深夜帯に酒を提供して遊技機を営業のメインとして客に使用させる事は風俗上の問題が生じかねない事から、本筋である風俗営業許可の取得を義務付けるといった考えです。
そんな国会が決めた法律ではない単なる警察庁の解釈運用基準で10%ルールの規定を外されるなんておかしいのではと思われる方も多いでしょうが、実は10%ルールそのものが法律の規定ではなく警察庁の解釈運用基準で示されたルールです。しかし警察庁の解釈に頼らず全てを法律の規定で考えると10%ルールが存在しなくなり遊技機の面積が小さくても風俗営業許可が必要となってしまいます。

なお、改正前にダーツ機が少ないダーツバーで深夜にハウストーナメント等の大会を行った場合は行政処分の対象のみでしたが、改正後は風俗営業(ゲームセンター)の無許可営業として刑事罰の対象になります。

【まとめ】
改正前
ダーツ機が多いダーツバー=風俗営業許可(営業時間内は大会可能)
ダーツ機が少ないダーツバー=風俗営業不要(深夜は大会不可能)

改正後
ダーツ機が多いダーツバー=風俗営業許可(営業時間内は大会可能)
ダーツ機が少なく酒が無いダーツバー=風俗営業不要(深夜も大会可能)
ダーツ機が少なく酒が有るダーツバー=風俗営業不要(深夜は大会不可能)

従前に比べると酒の提供が無い場合に関しては規制緩和となり、それ以外は従前通りとなります。

*なお、デジタルダーツ機を用いて大会を行い、その結果に応じて景品を提供する事は、営業の形態を問わず風営法で禁じられています。詳しくは下URLへ
http://fu-ei.info/keihin.html


posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ダーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月22日

大阪府の風営法条例施行規則が公布されました

大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例施行規則が平成28年2月22日に公布されました。
これにより、大阪府下における特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域が正式に決定されました。

大阪府下における特定遊興飲食店営業(深夜+酒類提供+遊興)が可能な地域。
・大阪市北区
梅田1丁目(1番から3番及び11番)、角田町(1番及び5番から7番)、神山町(2番から10番)、小松原町、曾根崎1丁目、曾根崎2丁目、曾根崎新地1丁目、太融寺町、兎我野町、堂島1丁目、堂島浜1丁目、堂山町(1番から13番及び16、17番)、西天満6丁目
・大阪市中央区
心斎橋筋1丁目、心斎橋筋2丁目、千日前1丁目、千日前2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目(1番から10番)、道頓堀2丁目、難波1丁目、難波2丁目、難波3丁目、難波4丁目、難波千日前(1番から3番及び10番から13番)、西心斎橋1丁目、西心斎橋2丁目、日本橋1丁目(2番、3番及び18番から20番)、日本橋2丁目(5番に限る)、東心斎橋1丁目、東心斎橋2丁目
上記のうち、児童等が入所する児童福祉施設、病院、有床診療所から100M(それらの施設が商業地域に存在する場合は50M)以内に属する場合を除く。

posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

風営法改正によるダンス規制の違い

平成28年6月23日に施行される改正風営法と従来の風営法においてダンス規制はどの様に変わったのでしょうか。

改正前の風営法においてダンス営業は男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れがあるとして風俗営業として規定されていました。
改正後はこの規定は削除されダンス営業が男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのある営業としては規制されなくなり、ダンスをさせる営業は原則として自由になりました。

しかし、深夜に営業を行う場合には従前より存在する深夜に遊興をさせる事を禁ずる規定に抵触します。この深夜客に遊興をさせる事を禁ずる規定は夜間に関し本来睡眠の時間である事や、夜間長時間に渡り盛り上がる事により秩序の乱れが生じる可能性がある等の理由から規制されています。改正前の規定では深夜飲食店(酒類提供の有無を問わず)において客に遊興させる事を禁じており、これを認める規定は一切存在しませんでした。
今回の改正においては深夜飲食店(酒類提供無し)における遊興をさせる行為に対する制限は撤廃され深夜酒類提供飲食店に限り客に遊興をさせる場合のみを規制の対象としました。そしてこの制限は特定遊興飲食店営業として許可を取得する事により除外され深夜酒類を提供しながら客に遊興をさせる事が可能となります。

特定遊興飲食店営業の許可取得には厳しい地域制限があり、繁華街の中心部といった限られた地域においてのみ可能です。それ以外の地域においては従前風俗営業として行っていた営業が、風俗営業の規制を外れ単なる飲食店としてダンスを行う事が可能となります。但し営業可能時間は従前と同様に午前0時までとなります。
繁華街中心部において従前より風俗営業を行っていた営業は、改正後も風俗営業として営業を継続する(低照度飲食店)事も可能ですが営業可能時間は従前と同様に午前1時(繁華街中心部でも午前0時の場所もあり)までとなります。また、特定遊興飲食店営業の許可を取得して営業を行う場合には照度基準が最低5ルクスから10ルクスに引き上げられる事による改修工事等を行った後に許可取得を行い、営業は原則として24時間いつでも可能になります。(条例により営業禁止時間が設定される地域もあり)

今回の法改正のポイントとしては
・ダンスは男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのある営業では無いとされ「風俗営業」ではなくなり、法律が規制する対象ではなくなった。
・深夜飲食店において遊興をさせる行為は酒類の提供を伴わない限り規制の対象外となった。
・深夜飲食店において酒類を提供し遊興をさせる営業は原則として従前通り禁じられているが繁華街中心部等一部地域では特定遊興飲食店営業の許可を取得する事により可能となった。
・従来深夜飲食店において遊興をさせても刑事罰を伴わなかったが、深夜酒類を提供する飲食店において許可を取得せず遊興をさせた場合は無許可営業としての刑事罰が設定された。

なお、今回の法改正においては「遊興」の定義について議論の対象となっていますが、遊興の対象となるダンスは改正前のダンス規制よりも広範囲な物になります。従前のダンス規制は男女間の享楽的雰囲気が過度に渡る恐れのあるダンスが規制の対象であった事により、例えば女性アイドルが盛り上げて客は男性ばかりのホールにおいて客にダンスさせる営業は風俗営業としてのダンスとして取扱われませんでした。しかし、この様な営業においても深夜に行う場合は深夜飲食店営業における客に遊興をさせる事を禁じている規定には抵触し、改正後においても特定遊興飲食店営業の許可を取得しない限り深夜帯に酒類を提供してこの様な営業を行う事はできません。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月11日

簡易宿所営業の要件緩和により新たなラブホテル問題勃発か

現在、平成28年4月1日の施行を目指し旅館業法に規定される簡易宿所の最低面積要件緩和を行うべく旅館業法施行規則改正に関するパブリックコメントが開始されています。

現在、旅館業法に規定される簡易宿所営業においては客室の総面積33u以上が最低要件となっているところを、収容人員×3.3uへと改正し、小規模な施設においても簡易宿所として旅館業許可が取得できる見込みです。
これにより通称民泊と呼ばれる小規模な住居に人を宿泊させる場合に、旅館業許可を取得し営業を行う事が可能となります。
(但し、旅館業法は緩和されても消防法や建築基準法の緩和は安全上の観点から行われず、これらは従前通りの運用となります。)

しかし一方で、旅館業法が従来厳しい要件の基に運用されていた結果、極小規模な風俗店のプレイルームの様な施設においては旅館業法の許可が取得できませんでした。
風営法においては旅館業法の許可が取得できており人を宿泊させる施設においては一定の基準を超えた場合のみにラブホテルとして定義(法第2条第6項第4号)、旅館業の許可が無く人の休憩のみにしか用いれない施設において専ら男女を休憩させる場合はレンタルルームとして定義(法第2条第6項第4号・ラブホテルと同)しています。

今までは旅館業法に基づく許可のハードルが高く、旅館業許可の取得可能な施設は一定以上の規模を有する施設だけでした。
しかし今回の旅館業法施行規則改正による規制緩和で小規模な施設(集合住宅の1区画を含む)においても旅館業許可取得の可能性が広がりました。
それにより小規模な施設において旅館業許可を取得し、風営法の規定に抵触する設備等(自動精算機、ガラス張りの浴室、回転ベッド等)を設けなければ風営法の規制を受ける施設とはなりません。
勿論、今回の規制緩和の対象は簡易宿所(多人数が共用する施設)ですので、直接的にはラブホテルに影響しないとも考えられますが、施設の運用方法次第ではカップルの休憩利用や風俗店のプレイルーム用としての休憩利用も可能になる恐れがあります。
極端なケースとしては分譲マンションの1室が風俗店のプレイルームになる恐れがあります。
勿論、他の要件も存在する事から単純にこの様な施設ができるわけではありませんが、排除しきれない部分となります。

今まで旅館業法の規制においては偽装ラブホテル問題に関連して年々厳しくされていました。(旅館業法や、それに基づく条例等に限らず、自治体の建築条例等において規制している場合もあり。)
しかし、ここにきてラブホテル等問題の対策があまり深く議論されていない段階で旅館業法の規制緩和が実施されれば、新たなラブホテル(レンタルルーム)問題が生まれる可能性が否定できません。
ただ、今の宿泊施設不足や実質的には違法状態の民泊を放置する事もできない事を考えれば旅館業法の規制緩和は進むと思われます。
この問題を解決する為には、再び風営法上のラブホテル規制見直しを行う必要があると思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする