2015年10月30日

風営法改正によるキャバクラ等の深夜営業

キャバクラ、麻雀、ゲームセンター等の風俗営業に関する営業時間規制は原則深夜0時まで、条例により午前1時まで延長可能とされていましたが、今年6月の法改正で条例により朝まで営業時間を延長する事が可能となりました。この事で風営法としてはキャバクラ等の深夜営業を認める形となりました。

しかし、現在各都道府県において示されている条例案では営業延長時間を午前1時までとしている都道府県ばかりで、実質的にキャバクラ等の風俗営業においては法改正施行後も深夜営業はできない事となりそうです。
勿論、条例はこれから正式可決していきますので、それまでに変わる可能性が0ではありません。

今回の改正による営業時間の見直しは結果として実態に反映されない法改正とも言える状態です。
何故この様な意味を成さない法改正が行われたのでしょうか。
この理由としてはダンス規制を削除するにあたり、現在の3号営業を
・10ルクス以上で0時までの営業(一般飲食店)
・10ルクス以下の営業(低照度飲食店・風俗営業)
・10ルクス以上で深夜の営業(特定遊興飲食店営業)
の3つに移行させる事となったのですが、低照度飲食店は風俗店であり深夜営業が現状認められていない事から法改正段階で条例により延長可能とし、10ルクスに満たない営業においても深夜ダンスさせる事を理論上可能にしました。
しかし、条例制定は短い期間で行う必要があり、新たに創設される特定遊興飲食店営業に関する立地規制の調整だけでも推進派、反対派の両面に対して行う必要があるなど、大変な状況になっている現状があります。その中で更に風俗営業の営業時間を延長するとなればダンス営業より圧倒的に多い社交飲食店等から生ずる影響等の検証や利害関係者等の調整作業が必要となり、現実的に難しい状況と思われます。

さらにダンス規制に関しては多くの人が深夜営業を求める声をあげたり、大阪や東京等では3号等の許可を有する事業者が業界団体を結成し営業の健全化に向けた取組等を実施してきました。
その一方、キャバクラ等の業界に関しては、そもそも今回の法改正に関する情報があまり伝わっていない事もあって、時間延長を求める様な陳情等もさほど行われていません。その結果、風俗営業に関する営業時間延長に関しては多くの議論すらされる事無く見直しが行われない見込みです。法律や条例等は求める人がいない限り緩和がされる事はないのです。

しかし、今回法律は改正されているので、今後各都道府県毎に事業者が連携し健全化に向けた取組を行い、各地域の住民や行政と対話を行う事等により、各都道府県の条例が見直される可能性は十分にあります。
また風俗営業を深夜帯に認める事は周辺環境等に悪影響だけでなく、無許可営業店や客引きの排除等にも繋がるとも考えられますので、今後一切見直しの余地が無い話ではありません。

なお、ダンスの深夜営業や風俗営業の営業時間延長は単に延長されるだけでなく、深夜帯の営業において周辺対策等に関する新たな義務が課さられた状態での営業となり、周辺住民等への配慮も行われた法改正となっています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 風営法全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

法改正で生まれる不公平

今年6月にダンス規制等見直しによる風営法改正が国会で成立しましたが、この改正により不公平が生じる可能性が高くなっています。

現行法ではダンスをさせ飲食をさせる営業は風俗営業の許可を取得して営業する事となっており、許可を受けた店舗の営業時間は原則深夜0時まで、一部地域で例外的に深夜1時までとされています。
今まではこの様に地域等による営業時間の差は1時間でした。

しかし今回の法改正により新たに設けられた「特定遊興飲食店営業」という深夜にダンスを含む遊興をさせ飲食(酒類)させる許可業種は営業が可能なエリアに大きな規制があります。
特定遊興飲食店営業として営業できないエリアにおいてダンスをさせる営業を行う場合、風俗営業等の許可は不要ですが営業は深夜0時までとなります。一方特定遊興飲食店営業に関しては現在条例案が出ている多くの都道府県において午前5時まで可能になる見込みです。
改正法施行後はエリアによって5時間の営業可能時間差が生じます。
特に可能エリアと不可能エリアの境界線付近では大きな問題が生じる恐れがあります。
極端な事例として道路を挟んで向かい合う店舗で片方は朝まで営業、片方は0時までの状態となった場合、お客さんは遅くまで利用できる店に早い時間帯から集中する事が想定されます。こうなればエリア外の店舗にとっては死活問題にも繋がります。

国としては今回の法改正では今まで可能であった営業時間帯(0時以前)までは今まで通り営業が可能であり、改正による損失は無いと考えておられるようですが、この様に店舗間における不公平が生じ、その結果損失を被る店舗が現れる可能性があります。
各地の条例可決まで残る時間も少なくなっていますが、法改正により不利益を被る事が無い様な条例整備がなされる事を願います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月20日

深夜にダンスができるのは一部地域のみ

今回の風営法改正により朝までダンスをさせる営業が可能となりました。
という様な報道等が多くされていますが、全てが完全に自由化されたわけではありません。

ダンスを行う営業は大きく3つに分けられる事になります。
【法改正によるダンス営業の分類】
・一般飲食店営業
深夜(0時〜6時)以外の営業で営業所内の照度が10ルクスを超える営業。

・低照度飲食店営業
原則として深夜(0時〜6時)以外の営業で営業所内の照度が10ルクスを下回る営業。

・特定遊興飲食店営業
営業所内の照度が10ルクス以上で深夜に酒を提供しダンス(遊興)をさせる営業。

基本的にこの3つの形態からお店にとって相応しい営業形態を選択して営業する事になるのですが、全てのお店が営業形態を自由に選択する事はできません。
その制約には様々なものがありますが、一番の問題に地域規制があります。

【業態毎の地域規制】
・一般飲食店営業
規制なし

・低照度飲食店
この営業は風俗営業であり、住宅街等以外で学校や病院から一定距離が離れている必要がある。
(詳細は都道府県条例による)

・特定遊興飲食店営業
大規模繁華街又はベイエリア等の住居が存在しない地域。
(詳細は都道府県条例による)

今一番議論されているのが深夜にダンス営業が可能な「特定遊興飲食店営業」の営業可能地位(営業所設置許容地域)です。
現在都道府県において条例制定に向けたパブコメ等が実施されていますが、多くの条例案において営業所設置許容地域は現在の風俗営業における営業延長許容地域(風俗営業が深夜1時まで可能な地域)と同等です。
(東京都等に関しては現在の営業延長許容地域に一部地域を追加)
現在の条例案の多くがこのまま可決した場合、各都道府県の中でも中心部の中の一部だけが朝までダンスをする事ができる店となります。
大阪府の場合、キタ(堂山、兎我野町、太融寺町、北新地等)、ミナミ(心斎橋、千日前、難波等)の繁華街だけとなり、この近年開発が行われている大阪駅北側や阿倍野天王寺エリア、比較的大規模な繁華街である京橋エリア等も全て対象外となりダンスを朝までする事はできません。
この様な状況にも関わらず、報道等ではダンスが自由化等と誤解を与える表現がなされている部分があるのが残念です。

また、10ルクスを下回る照度で営業を行う低照度飲食店に関して法改正では風俗営業そのものの営業時間延長を条例により可能としており、風営法の理論上は深夜に暗い店でダンスをさせる事が可能になりましたが、実際の条例案において風俗営業の時間延長を1時以降とする案は現在のところどの都道府県からも出ていない様で、この営業時間延長に関する法改正は現段階では実質効力が何ら生じない状態となっています。

今回の法改正〜条例改正における流れではダンス営業に関して実質的に大きな変化が生じたとは言えない状況にもあります。
この理由として1つ考えられる事が、法改正議論が通常では考えられないスピードで進められた事があると思います。特に法改正〜条例改正までの期間が短すぎます。
本来、法律が改正されたのちに下位法令(政令等)のパブコメが行われ下位法令が決定、その後に条例案が作られパブコメが実施、そして条例改正となる必要があるのですが、今回は下位法令のパブコメ期間中に各都道府県条例案のパブコメが多くの都道府県において実施されています。
このスピード感では議論や検証等の時間も不足し、大きな変化を伴う条例案を作る事は難しい部分もあろうかと思います。しかし、法律により法律の施行期限が定められている為、条例は無理やりにでも改正する必要があり、結果としてこの様な条例案になっている部分があると思われます。

この事で大事なことは、今回の法改正及び条例改正が行われたら全てがそれで終わりと捉えず、今回の改正は大急ぎで行ったものである事から改正後再度改めて様々な議論や検証を行い、今回の法改正の趣旨に合わせた各種整備を継続実施する必要があると思います。

なお、各都道府県の条例は現在未だ案の段階ですので、実際の条例制定段階において内容が変更される事はありますので、それまでに少しでも実態等に合う内容とされる事が理想ではあります。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月09日

神戸三宮で客引規制

10月1日付けで兵庫県は三宮北側地域を県条例に基づき客引全面禁止地域に指定しました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151002-00000058-san-l28

この様な条例は大阪等でも導入されています。
これにより風俗営業(キャバクラ等)以外の居酒屋やバーであっても客引行為は禁止されます。
タグ:客引
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 歓楽街総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする