2018年06月03日

ダーツバーと特定遊興飲食店

ダーツバー(ここでは点数がデジタル表示されるダーツ機を設置した飲食店を対象として書きます)も遊興に該当するので深夜に営業する場合は特定遊興飲食店許可が必要であるといった話を耳にする事があります。またこの様な内容の指導を警察から受けたといった話も耳にする事があります。本当にダーツバーが特定遊興飲食店に該当するのか検証してみたいと思います。

特定遊興飲食店の定義は風営法第2条第11項にあり
「この法律において「特定遊興飲食店営業」とは、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る。)で、午前六時後翌日の午前零時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)をいう。」
とされています。これを分解すると
「設備を設け」+「遊興させ」+「飲酒させる」+「深夜」
と解する事ができ、ダーツバーの場合はダーツ機を設置して客に遊ばせる(遊興させる)、それを深夜で酒を提供するならば該当するとして解釈されるケースが多いようです。しかしこれでは大きな見落としがあります。11項の最後に「(風俗営業に該当するものを除く。)」という事が書かれており「風俗営業」とは風営法第2条第1項に
「この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。」
と定義されています。各号とは1〜5号までが存在し5号の営業として
「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)」
そもそも従前よりデジタルダーツ機は風営法上ゲーム機扱いが成されており、ダーツバーは風俗営業という事から特定遊興飲食店営業には該当しないというのが結論です。

風営法での業態の定義は風俗営業→性風俗関連営業→飲食店営業(特定遊興→飲食店)の順となっており、適用の判断をする場合は前から順次適用され、適用された段階で後ろの判定を行わないのが基本的な考え方となっています。

さて実態として多くのダーツバーは風俗営業の許可を受けていませんが、これは風営法解釈運用基準第3中3(1)イにある10%ルール(店の規模に対して遊技部分が少ない場合の措置)を適用しており風俗営業の許可を要しない扱いが成されています。ただよく誤った認識をされている方がおられますが、10%ルールを適用されて許可が不要とされた場合でも当該営業は風俗営業に変わりありません。なお許可を受けて営む場合は法第2条第2項の「風俗営業者」は許可を受けて営む者に限定されており10%ルールの適用を受けている場合は「風俗営業を営む者」として区別されます。一見同じ様にも見えますが「風俗営業者」は営業規制として法第12条〜第27条までが適用される事に対して「風俗営業を営む者」は法第23条及び第24条に限って規制されます。これにより全ての営業において賞品提供行為等は記載されますが営業時間規制等は許可を受けている営業に限って規制されている事から多くのダーツバーでは深夜営業を行っています。

となれば風俗営業でも許可が不要(10%ルール)の営業では深夜遊興させてもいいのか?という疑問が残ります。これに関して解釈運用基準による「客に遊興をさせる」では「のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為」が該当行為に列挙されている事に対して「ボーリングやビリヤードの設備を設けてこれを不特定の客に自由に使用させる行為」は該当しない部分に列挙されています。これらの考え方は平成28年の風営法改正以前より存在し10%ルールの適用を受けているダーツバーは基本的に客が機械に料金を自ら投入しダーツを行っており深夜遊興には該当しないという考え方であり、法改正後においても特定遊興飲食店に該当する事にはなりません。

ただ、10%ルールの適用を受けているダーツバーで深夜に大会等を行って客に参加させる等する場合は特定遊興に該当してしまうのではないのかとも思えます。これに対して平成28年法改正と同時に改められた解釈運用基準第24中4(2)で
「例えば、遊技設備を用いた競技大会であって客に参加させるものを恒常的に開催するバーのように、遊技設備を用いて客に遊興をさせ、かつ、客に飲酒をさせる業態の営業を深夜に営もうとする場合は、遊技設備を用いて客に遊興をさせることにつき法第2条第1項第5号の営業の許可を受ける必要がある。当該営業は全体として風俗営業に該当し、これを営業延長許容地域で深夜に営もうとする場合には、特定遊興飲食店営業の許可を受ける必要はない。このような営業において、仮に遊技設備が少なく、客の遊技の用に供される客室の部分の床面積が小さかったとしても、第3中3(1)イの取扱いは行わず、法第2条第1項第5号の許可を受けなければならないこととする。」
とされており大会等を行うケース(遊興に該当する様なケース)では10%ルールの条件に当てはまっても風俗営業許可不要の扱いにはならず結論として特定遊興には該当しないとなります。

色々と批判される事もありますが、私自身はこの解釈運用基準を見た時に感じた事として、改めて日本の官僚の能力の高さに驚きました。ダンス規制見直しを主な目的とした法改正ではありましたが、改正後に法の中で新たに矛盾や疑問が生じる恐れのある部分を予め検討して明文化しています。ただ問題は国の官僚が目的や意味をしっかりと理解して明文化しても運用する地方自治体の警察官が全てを理解する事は現実的には難しく、現場が混乱してしまうのが現実の世界です。多岐に渡る警察官の仕事に中では風営法の占めるウエイトは僅かですし、風営法対象の中でも特定遊興の対象になる店舗は数%であり、やはり誰もが分かりやすいルールになる事が理想なのかと思います。
ラベル:特定遊興 ダーツ
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 16:18| Comment(0) | 法改正 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月24日

民泊のはずが無届ラブホテル

6月15日に施行される住宅宿泊事業法により旅館業法の許可を得なくても住宅宿泊事業の届出を行う事により合法な民泊が可能となります。
これによりマンション等を転用した施設での合法民泊が以前より可能となる事が増えてきます。

しかし、合法民泊をやっているつもりだったのに、ある日突然風営法違反で摘発される恐れがあります。
しかも容疑は店舗型性風俗特殊営業の禁止区域営業(無届ソープランドやファッションヘルスと同じ扱い)になります。
何故ならば風営法では
・専ら異性を同伴する客の宿泊
   +
・一定の施設
   +
・一定の設備
この組合せが成立した場合はラブホテルとして取り扱います。
逆に見た目や実態がラブホテルでも、この組合せが成立しなければ風営法の範疇ではありません。

詳しくは↓でご確認ください。
http://fuei-kaisei.com/f_hotel.html

マンションを転用した民泊の場合
・夫婦での利用が多い施設
   +
・食堂やロビーは無い又は小さい
   +
・お洒落なデザイナーズマンションでお風呂は寝室から丸見え

となれば風営法上は完全なるラブホテルとなります。

民泊規制緩和により合法的な民泊を行っていたつもりが
風営法違反という事の無いようにご注意ください・・・
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 19:54| Comment(0) | ラブホテル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月20日

ダンスではなく深夜遊興

今再びDJがいて客にダンスをさせるクラブ等に対し取締や指導が相次いでいます。平成28年6月23日に風営法が改正されてからもうすぐ2年が経過します。
その状況において再びダンスさせた事に対しの規制として議論が再燃しそうな感じなのですが、今の規制はダンス規制ではありません。今の規制は深夜に酒を出しながら遊興させる事に対する規制です。
うちはDJバーでダンスはさせていない、ダンスをさせるスペースは無い等としての店側の反論も多く出ていますが、あくまでも今の規制は遊興をさせる事です。生でDJがプレイしたりバンドの生演奏を聴かせれば遊興に該当し、それが深夜で酒を伴っていれば規制の対象となります。
法改正以前は時間を問わずダンスをさせる行為は許可制として規制されていましたし、酒を伴わなくても飲食店では深夜に遊興させる事に関しては全面禁止だった事を勘案すれば以前よりは緩和されてはいます。また法改正においては主にダンス規制の見直しで今の特定遊興ができており、本来ダンスを伴わない遊興に関して条文上は勿論該当するものの、事実上はダンスを伴う営業に対するものとされていました。
しかし法改正から2年が経てば状況は変わってきます。法改正前や改正の時の事を知っている警察官の多くはもう異動して、これらの規制担当から離れている実情があります。そうなれば過去の経緯の問題ではなく、現に存在する法律と現場を照らし合わせて運用されていきます。
店側として法に触れる事なく営業を行なっていると主張する際に、うちはダンスはさせてない!と主張しても生演奏してたから遊興はさせてたよねとして警察に検挙される事は今後起こり得ます。ただ警察官でも未だダンス規制だという認識で指導している人もいるとは思われます。
今はダンス規制ではありません、ダンスが良いとか悪いではありません。音楽を聴かせたりするだけの行為やその他楽しませる行為も遊興として規制の対象(但し深夜にお酒を出しながらに限る)です。ここを取締る側も店側もきちんと認識して運用や議論を行う事が今後重要になると思われます。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:42| Comment(0) | ダンス規制 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月12日

家主不在型民泊等の危険性

従来宿泊施設は旅館業法に基づく営業であり、施設の出入口には帳場(フロント)を設けてお客さんの出入りは従業員が見える様にされていました。しかし民泊増加による規制緩和で条件によっては旅館業許可の施設でも帳場が不用とされるケースが出てきました。
平成30年6月からスタートする住宅宿泊事業法では家主不在型の民泊が定義される事になりました。
宿泊施設における帳場は大変重要な物であり、ラブホテル等がフロントに目隠しをして営業するケースでは過去に多くの犯罪を招きました。その犯罪は売春等の風紀事案に限らず薬物、監禁、殺人や傷害等と様々です。平成23年には児童売春問題により風営法施行規則を改正して入室時又は退出時に自動チェックインや自動精算機で従業員と帳場で対面しない形態の宿泊施設は風営法のラブホテルとして定義される事になりました。ラブホテルでは帳場にて対面しないものの施設内の事務所等に従業員がいるケースが殆どですが、見えないだけで犯罪に繋がっています。これが家主不在型民泊とれば見えないどころか施設内に人がいないという危険な状況が生まれます。昭和60年以降、風営法や地域のラブホテル規制条例等により風紀面やその他犯罪を抑止する為に様々な規制が行われてきましたが、この約2年の民泊規制緩和でその殆どを失う事になります。特に風紀面規制よりも犯罪抑止面の規制がその影響を受けると考えられます。
規制緩和を目前に控え、各地で犯罪やトラブルが目立ち始めています。今まで日本には管理者が長時間不在の一時利用施設はさほど多くありませんでした。また宿泊施設等はあまり狭い路地に面した場所には建築されませんでした。今後、家主不在型の民泊が各地に増える事により、今まで日本で起きなかった犯罪が次々と発生する可能性があります。
経済の発展には多少のリスクを背負っても規制緩和や改革が必要ではありますが、今回の民泊規制緩和は起こり得るリスク予測が不十分であり、更に宿泊施設不足の原因となっている観光客の増加要因である安心安全な国を失う事にも繋がりかねません。これを失うと今まで日本が作り上げてきた信頼も失います。
大阪市も住宅宿泊事業法に関する条例では地域や期間に上乗せ規制を行わず、ヤミ民泊を減らす事を優先するスタンスでしたが、ここへきて大幅な規制を行う事で議論されています。民泊施設が許可無許可という問題以前に、誰も見ていない空間を他人に貸出すという危険な状態に関しての対策を焦らずじっくり行う必要があると思います。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 00:07| Comment(0) | 旅館業法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月29日

特定遊興無許可 法改正後初の摘発

平成28年6月23日の風営法改正により
深夜客に酒類を提供しながら遊興をさせる営業に関し
【特定遊興飲食店営業】
として従前は禁止されいた飲食店における深夜遊興が一部許可制で解禁されました。

平成30年1月29日に東京都渋谷区のクラブで許可を得ずに
これらの営業を行っていたとして風営法違反(無許可)で
経営者らが警視庁により逮捕されました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180129-00000041-mai-soci

この摘発は法改正以降初の摘発です。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:18| Comment(0) | ダンス規制 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月25日

クレーンゲームの風営法

風営法によりクレーンゲームを設置して客に使用させる場合、クレーンゲームはゲーム機で風俗営業とされており、原則として風俗営業許可が必要とされています。許可の例外として俗に言う10%ルールがあり、これは店の一部だけにゲーム機を置くような営業です。もちろん、10%ルールが適用されて許可が不要となってもゲーム機を置いて営業を行なっていれば風俗営業である事に変わりはありません。
ゲーム機を置く営業は風営法第2条第1項第5号のゲームセンター営業となります。ゲームセンター営業における規制として遊技の結果に応じて景品を提供してはならないとされています。ゲームセンターの中でドライブレースを行なって優勝者にトロフィーを渡す等はできないという事です。ただその中で警察庁の通達である解釈運用基準によりクレーン等で800円以下の物吊り上げてそのまま提供した場合は、この禁止規定に該当しないとされています。逆を介せば800円を上回る景品が提供されるクレーンゲームは風営法違反となります。他にもクレーンゲームで吊り上げたカプセルに入っているクジと景品を交換する行為等もこの行為に該当せず風営法違反になります。
先日、大阪で高額賞品が入っているものの取れないクレーンゲーム営業者が詐欺容疑で摘発されましたが、万が一その高額賞品が実際に取れてた場合は詐欺容疑ではなく風営法違反になったと考えられます。
風営法において賞品提供が一定のルールのもと認められているケースは麻雀以外の風営法第2条第1項第4号(麻雀を除く)に限られています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 18:30| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月19日

風営法既得権と火災対策等

先日、風俗店火災にて多くの死傷者が発生しました。この様な歓楽街にある建物で火災が発生すると多くの死傷者を出す要因に風営法の既得権問題があります。
日本の消防法や建築基準法は火災や地震等の天災も含めて多くの犠牲者が出ると様々問題点が議論され再発を防ぐ為に法改正が行われていきます。これにより安全基準が引き上げられ次のリスク軽減が行われていきます。

ただ法改正が行われて基準強化されても改修されない建物も多くあります。改修されない理由は様々です所有者の経済的理由等もありますが、風俗店が入る建物に関しては風営法が影響している場合もあります。
風営法に規定される店舗型性風俗店(ソープランド、ファッションヘルス、ラブホテル、ストリップ劇場等)は各都道府県の条例により営業が多くの地域で禁止されています。但し、条例で規制される前から営業している場合に限り同じ場所で同じ営業者が同じ構造を維持する事により禁止規定の例外とされます。これが既得権営業と呼ばれています。
既得権営業の店はもう二度とできない営業である事からも高値で営業法人の株式が売買される程価値があるとされています。
その既得権営業を営む店にとって改修工事は既得権を失う恐れがある行為にも繋がる事から古い建物がそのまま使われているケースが多くあります。また建物の老朽化により本来であれば建替時期が到来している場合でも風営法の規定では建替を行えば既得権は消滅するとされています。高い価値を維持しようと古い建物をそのまま使って営業を継続しようと考える事に繋がります。
過去の災害事例としてもラブホテル等の火災では多くの犠牲者が出ています。風営法による規制も安全上の理由で、店の規模等が同一になる事を条件にする等で改装を認めない限りこの問題は年々増加する可能性はあるかと思います。
ラベル:防災 建直し 改修
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 23:47| Comment(0) | 既得権関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月17日

風俗店火災で死傷者多数

12月17日午後2時頃にさいたま市大宮区の風俗店(個室付特殊浴場)にて死傷者多数となる火災が発生したようです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171217-00000052-jij-soci

この様な風俗店は建替えや改修には風営法規制の関係で大きく制限され古い建物が多く、燃えやすかったり通路が狭かったりするケースが多くあります。また改修可能な場合においても個室型風俗店の場合は算定上の収容人員が少なく避難通路が広く設計されていないケースがあります。更には、この様な風俗店で火災等が発生してもお客さんも直ちに避難しないケースもあり逃げ遅れの原因となります。


posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 20:56| Comment(0) | 歓楽街総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月01日

大手居酒屋が風営法違反で書類送検

大手居酒屋チェーン店が客引により風営法違反で書類送検されました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171201-00000005-tbcv-l04

風営法では風俗営業等でなくても深夜飲食店が客引きする事は禁じられています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 13:28| Comment(0) | 歓楽街総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月18日

バーでストリップショー

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171013-00000561-san-soci

兵庫県神戸市のバー店内で女性従業員にストリップショーをさせたとして兵庫県警兵庫署により経営者が逮捕されました。
裸体を見せる等の営業は風営法第2条第6項第3号の営業に該当し、営業可能な地域が限定的となっています。また、営業可能な地域で営業を行う場合は公安委員会に対して届出が必要となっています。
posted by 行政書士雨堤孝一事務所 at 12:20| Comment(0) | 性風俗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする